ゴルフダイジェスト雑誌・出版情報> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/5
2005/6/30更新
「アディダスを着て、r7でぶっ飛ばす」
テーラーと契約した青木功のクラブ観

 クラブ職人泣かせといわれるほど強いこだわりを持つ青木功が新しく手にしたクラブは、テーラーメイドだった。


テーラー&アディダスでシニアツアーを戦う

 米国や欧州では、ツアーでの使用率、勝率を背景に販売面でもトップ(ウッド)を走るテーラーメイド。しかし、日本ツアーではブリヂストンやダンロップに次いで3位グループに甘んじている。

 同社では、いまだカリスマ性の衰えない青木を日本でシェアを上げる切り札としたい考えで、米国本社も「知名度の高い青木であれば」と全面的なバックアップを約束している。

 日本でトップになるためには、ファンの多い若年層に加えてシニア層を取り込むことが不可欠。実質青木モデルだったダンロップDP555や青木ブランドのコスモグレード、ベックスとは違い、今回一般的な市販モデルを青木が使う意味合いは大きい。

 とはいえ、青木ならではのこだわりは、やはりある。「そもそも彼にはクラブを売って商売にしようという発想がない。スコアを犠牲にしてまでクラブを使うことはない」(関係者)だけに、市販モデルをベースに青木流のチューンナップが施されている。

 今回は、クラブ、用品、ウェアの総合契約で、r7クワッドTP、Vスチール(3、5番)、レスキュー(ユーティリティ)、ラックLTアイアン(4-PW)の11本をバッグに入れる。

 このうち、ドライバーとユーティリティは市販されているヘッドそのまま。ウェート調整は後方10グラム×2、トゥとヒールに2グラムずつのノーマルポジションで、重心深度が深くボールを上げやすいセッティング。

 ここ2年ほど使っていたr7の調子が良く、飛距離のアドバンテージを感じていたそうで、それが今回の契約のきっかけになったということだ。ただ、シャフトはプロ担当でも「正直いっていま何を使われているか分からない」(同社スポーツマーケティング/池田雅人氏)というくらい自分で交換しながら色々なものを試している。

 見た目のつかまりやすさも強いこだわりの一つ。ドライバーはややフックフェースでアップライトなセッティング、アイアンはグースネックを好む。もともとグースの少ないラックTPは「ネックを曲げてグースに見えるように調整している」(池田氏)。

 ちなみにツアーモデルのラックTPでなくLTを選んだのは、ボールの上がりやすさを重視したから。「易しいクラブを探しているのは分かります。実は易しいクラブを易しく打っているのが青木プロ」(池田氏)。

 長年ダンロップで青木のクラブを見てきた松尾好員氏(ジャイロスポーツ)は、青木のクラブ観について「しなり方などシャフトのフィーリングを感じ取る能力は人並み外れています。そのためにシャフトの入れ方とかぐリップに対するこだわりも相当なもの。また、ダウンブローでパンチショット気味に打つ方なので、抜けのよいソール形状にもこだわりがありました。よく、90点で作ってくれればいい、あとはオレが直すからと話していました」。

 それこそパーシモンの時代は自分のクラブは自分で調整するのが当たり前だったが、今でも肝心の部分は他人任せにしないで、自分の手で仕上げるのが青木流。ラックLTのリーディングエッジもすでに青木自身の手で削られている。

 また、青木のこだわりのもっともよくあらわれているのが、ウェッジとパターだ。ウェッジ2本とパターはこれまで同様オリジナルモデル(ベックス)を使いつづけている。ジャンボのMTNにも似た丸顔で、グースの効いた青木オリジナルウェッジは、これが世界の青木のクラブかと思うほどやさしい顔つき。

 ソールはセンターが高く後ろとトウ、ヒール側を落とした丸い形状。これも最終的には青木自身の手で仕上げられたものだ。見た目には分からないが、バランスはC8前後と一般的なウェッジと比べて4.5ポイントも軽い。理由はバンカーでも速く振ってスピンを効かせるためだ。

「63歳にもなる自分と契約してくれるなんて画期的な事。それに応えられるように優勝という結果を出したい」

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です