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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/21
2005/6/15更新
「魅せるゴルフ」は数字にも表れた
女子ツアーでイーグル数急増の理由

 国内女子ツアーは全日程のほぼ3分の1を消化したところだが、今季はツアー全体でイーグル数が大幅に増加している。原因は、道具の進化による飛距離アップやプレーヤーの技量の進歩により、コースが易しくなったからなのだろうか。関係者の見方を聞いてみた。

 先々週の廣済堂レディスまでのイーグル数は、ロングヒッターでかつアプローチも巧みな横峯さくらが奪取数1位で5個。ついで宮里藍、佐藤靖子、飯島茜の4個。そして、不動裕理らの3個と続いている。

 この数字を昨年1年間の実績と比べると、例えば宮里は昨年6個だったから今季は倍増ペースということになる。さらに佐藤と不動にいたっては、昨年はともに2個だったから、早くも昨年実績を上回っている。

 また、横峯が今のペースでイーグルを重ねると、シーズン終了時には20近い数となる。この数字、歴代最多が昨年の福嶋晃子の8個だったから、大幅な記録更新である。

 ちなみに、それ以前の年間最多イーグル数は03年6個、02年6個、01年5個、00年4個だった。つまり、昨年まで徐々に増加してきたのが、今年は急増しているのだ。

 この現象の背景を、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)側は次のように語る。

「ボールとクラブの性能の向上や、各選手の技術、挑戦意欲が向上していることに加え、パー5のホールにおいては、2オンに挑戦させるようなコースセッティングを行っていることがその理由と考えられます」(トーナメントプレーヤー部門担当副会長(小林洋子プロ)

 今季の大会コースのセッティングは、全般的に例年よりタフになっている。そのため、予選カットラインは軒並み7~10オーバーと厳しい試合が続いている。

 だが、その半面で、LPGAはタフさにもメリハリを付け、2オン可能なパー5も用意するようにしているというのだ。もちろん、その分、最後まで予断を許さないゲーム展開が期待できるわけで、LPGAとしては『してやったり』といったところに違いない。

 一方選手側だが、ロングヒッターではない佐藤は、「ツアー全体のレベルが上がるなか、これまで以上にガムシャラにプレーしている結果が、たまたま4つのイーグルにつながったと思います」と控え目。それでも、居並ぶ飛ばし屋たちに負けまいと、ピンをより積極的に攻める姿勢に転じたようだ。

 また、宮里のクラブ、ボール等を製造するブリヂストンスポーツは、「藍ちゃんについては、彼女の技量が上がったことが一番ですが、我々のギアが貢献したとすれば、まずボールでしょうか。今年は昨年より硬めのX-01Hというボールに替え、ドライバーの飛距離が約10ヤードも伸びていますから」(広報室長嶋崎平人氏)と説明している。

「それに加えて、今年から使用しているアイアンとのマッチングが良く、ロングアイアンで高い弾道の球が打てるようになったこともイーグル奪取につながっているのかも」と推測する。

 イーグル数増加の背景に「用具の進化」があることは間違いないだろう。実際、どのメーカーも女子ツアーには力を入れているからだ。

 パー4の攻め方にも変化が表れている。ある業界関係者は今季の宮里を例に取り、「昨年ならグリーンまわりからのアプローチは、バーディ狙いで確実に寄せていたところを、今年は積極的にカップを攻める姿勢が目立つ」として、サロンパスワールドレディス3日目の11番ホール、残り約30ヤード地点から見せた9番アイアンのピッチエンドランでのイーグルを例にあげる。

 これまでなら、同じような場面ではウェッジでふわりと寄せることが多かったが、今季はよりカップインの可能性の高いピッチエンドランを使うようになったと言うのだ。

 小林副会長が「挑戦意欲の向上」と指摘したように、無難に寄せるのではなく、チャンスがあればカップに対して積極的に攻める姿勢がツアー全体に広がってのイーグル数増加だとすれば、女子ツアーに間違いなく変化が起きている証拠だろう。

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