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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/10-17
2005/4/27更新
10代プロの活躍が用品界にも波及中
続々登場するジュニア用クラブの売れ行き
 ゴルフ界挙げてのジュニアへの普及活動効果に加え、このところの藍&さくら人気で子どもたちの間にゴルフへの関心は確実に高まっている。そうしたムードに応えてなのだろうか、大手メーカーが相次いでジュニア用クラブの販売を始めた。ジュニアにゴルフブームの兆しが見えているのだろうか。

 ジュニア用といっても、中学生になれば大人と同じモデルを使い始めるので、ユーザーは小学生、身長にして150センチ程度までを対象にしたモデル。当然、市場規模は小さいうえに、価格も安くせざるを得ない。

そのため、これまではメーカーもショップも余り力を入れてこなかったのだろう。数年前まで、販売メーカーといえば、74年から扱っているミズノを始め、SRIスポーツ、テーラーメイドといったところしかなかった。

 ところが、02年にナイキがタイガー・ウッズ人気に乗じて参入したのを皮切りに、昨年秋にはヨネックスとブリヂストンが新しく商品ラインナップに加え、さらに今年からキャロウェイが日本国内でもベンホーガンブランドのジュニア用クラブをカタログに加えた。

 そこで、新しく参入した各社にその狙いを聞いてみた。

 まずは、ジュニア用のよりソフトなボールまで用意したブリヂストンは、「家族で楽しまれる方が増えていますので、それに応え、ジュニアでも打ちやすいクラブを用意して、ゴルフ界の活性化につながればと思っています」(広報室・嶋崎平人氏)

 また、ヨネックスも「ジュニアのクラブ選びの選択肢を増やすことで、業界活性化のお手伝いになればというのが目的です」(企画宣伝部・根岸理恵さん)との答え。

 つまりは、ジュニア市場の拡大に乗じてということではないのだ。実際、各メーカーともジュニアの関心の高まりは感じても、マーケットの明らかな拡大はまだまだと声を揃える。

 また、販売の現場も「う~ん。微増、ですね。関心が高まっても、練習場やコースの環境整備が整ってませんから、ジュニア人口の急増は難しいのでしょう」(ゴルフ5本社商品部)と現状を語る。

 ただし、続けて「でも、昨年のクリスマスには、子ども用の1万円前後のセット(4~5本)がかなり売れました。今後縮小する市場ではないでしょうし、業界を挙げて力を入れているので、当社もそのお役に立ちたい」とも語り、今後に期待を寄せている。

 確かに、メーカー等の振興団体であるゴルフ用品協会では昨年、活性化委員会を設立。その一環としてジュニア振興にも取り組み、例えば、スナッグゴルフの普及にも協力している。

「スナッグゴルフで興味を持ったジュニアが、すぐに楽しくボールを打てるジュニア用の易しいクラブを用意するのはメーカーの務めでしょうから」(キャロウェイゴルフ広報担当者)として、同社ではジュニア用クラブでは半世紀もの歴史と商品力を持つベンホーガンブランドの「リトル・ベン」を、今年から国内販売することになった。

 実際、各メーカーとも「採算度外視」とまでは言わないが、コスト高を承知で、身体の大きさに応じた複数のスペックを用意。ジュニアに使い易いクラブを提供している。

 この点では、老舗メーカーのミズノも、現在はT-ゾイド・ブランドのジュニア用クラブの他に、フィッティングという形で打ち易いクラブの提供に力を入れている。

「この春休みに、伊沢(利光)プロなどにご協力いただいて、ジュニア教室を開催しました。すぐに満員になったのですが、引率してきたお父さん方のほうが熱くなりがちで……。そこで伊沢プロからは、まず楽しむことから教えてくださいって、苦言が聞かれました」(前出・嶋崎氏)

 子どもたちには、まずは楽しんでボールを飛ばしてもらうこと。本格的な普及も、市場拡大も、それからということなのだろう。

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