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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/15
2005/2/9更新
中国東北部・大連に複合リゾートを建設中
本格リンクスコースがすでに仮オープン
 中国の遼寧省・大連市の長興島(ちょうこうとう)の建設中の複合リゾート施設に、日本人が取り組んでいる。08年度内には72ホール完成予定というゴルフ場を中心に、温泉、コテージ、人工スキー場……と、開発面積は533.6万平方メートル(なんと東京ドーム11万4126個分!)の中国東北部三省では最大規模の大リゾート施設である。すでに昨年9月に18ホールが仮オープン、日本人を対象にした会員募集も始まる予定だ。

 大連は人口450万人。約1500社の日本企業が進出しており、ベンツなど高級車を中心に毎月の新車登録台数も500~700台という、成長著しい中国東北部最大の経済都市だ。ゴルフ場などリゾート施設を建設中の長興島は、「北方の真珠」と呼ばれる海岸線を持つ、中国五大島のひとつ。

 経営母体は大連長興島ゴルフリゾート有限公司(加藤邦彦董事長)。日本独資企業で、資本金は現在1億2000万円だが、1口80万円で会員を募り(入会金30万円、出資金50万円)で、7億2000万円まで増資する予定だ。いわば株式会員権に似た出資会員権である。その数字から逆算すると、単純計算で今後72ホールで1200口を募集することになる。

「土地は2042年まで賃借契約を結んでおり、またゴルフ場建設費は18ホール換算で約5億円。一方で著しい経済発展でゴルフ熱も高く、平日で750人民元(約1万円弱)、休日で1300元(約1万8000円)が見込めます。これに対して大連の労働者の月額の平均給与が600元(約7500円)。人件費は最大でも10パーセントアに満たず、こうしたことから会員権の価格設定が可能となりました」(加藤氏)

 18ホールはすでに昨年、9月にオープン。これまでの入場者を年間に換算すると(12月から3月まで冬季クローズ。年間240日営業日で換算)、少なくとも3万人の入場者が見込めるという。そのため、

「毎年、出資金の10パーセントの配当を考えています。50万円に対し5万円ですが、これは日本と大連の往復の飛行機代くらいになります」(加藤氏)

 今回、日本での募集の予定は個人200口、法人50口。法人は記名1名、無記名1名で、金額については2倍になる模様。このほかに韓国、台湾でも100口ずつ程度の募集を予定している。

 ちなみに大連へは、北は仙台から南は福岡まで全国7都市(他に富山、成田、名古屋、関西空港、広島)から直行便で結ばれている。時間にすると2時間半から3時間の距離である。

 実はこの加藤氏、高校時代は世界ジュニアの日本代表としても活躍したアマチュアゴルファー。一緒に世界ジュニアに出場したのは、田中泰二郎プロ。大学卒業後はゴルフ場に勤務し、日本ではゴルフ場の支配人として経営に当たった経験もある。

 そうした経験を生かした上で、「破綻した預託金制度に代表される日本のゴルフ業界の失敗を教訓に、また世界に通じるゴルファーの育成、ますます結びつきが強くなる日中両国の友好に貢献したい」として、中国を舞台に「理想のゴルフ場を建設したい」と言う。

 すでに完成した18ホールを絶賛するのが、クラブの副理事長でもある田原紘プロ。レッスンプロとしてお馴染みだが、オーストラリアやヨーロッパのシニアツアーにも選手として参戦した経験から、世界のゴルフ事情にも詳しい。

「セントアンドリュースオールドコースは別格としても、世界で五指に入るリンクス。特に海岸線沿いの13、14番は絶景です。世界で一番ではないと気がすまない中国人の気質もあって、このような広大な島、ロケーションに建設計画が可能になりました」

 ちなみに設計は、セントアンドリュースでグリーンキーパーを務め、世界グリーンキーパー協会会長でもあるウォルター・ウッズ氏である。

 まさに中国ならではのスケールの大きさ。13億の人口を抱え、いま世界のゴルフシーンからもっとも注目される中国にはこれからも目が離せない。

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