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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/4・11
2005/1/16更新
合言葉は共に「高打ち出し、低スピン」だが
フルチタンと複合ヘッドの2極化が進む
 プロギアが「デュオシリーズ」で火をつけカーボンとチタンの「複合ヘッド」か、あるいは3代目ゼクシオが好調の「フルチタン」か、04年はヘッド素材を巡る各メーカーの熱き戦いが繰り広げられた。

 07年からの高反発ドライバー規制を受けて、それまでボール初速を高めるためにフェースの高反発化を競い合っていたクラブメーカーが一転して目を付けたのは、初速以外の飛びの要素である「打ち出し角」と「スピン量のコントロール」。その一つの答えが複合化だった。クラウンないしボディを比重の軽いカーボンにすることで、低重心化が可能になり、ボールの打ち出し角を高くできる。さらにヘッドの重心より上でボールをヒットするため、ギア効果によってスピンが低減され、吹き上がりを抑えられるというのが複合ヘッドのメリットだ。さらにプロギアの場合は柔らかなカーボンクラウンのたわみを利用して、一層高い打ち出し角とスピン低減を実現したという。

 これによって、複合ヘッドはプロの球筋を変えた。カーボン=シニアや女性向けという固定観念を最初に打ち破ったのはプロだった。かつて、プロがロフトの少ないドライバーを使い、低い弾道で飛ばしていたのは、高ヘッドスピードゆえに吹き上がるボールを抑える苦肉の策だった。しかし、実際にはスピンを抑えれば、打ち出し角が高い方がボールは飛ぶ。その両方を満たすのが複合ヘッドであり、ミズノやヨネックスなどは当初からプロモデルとして開発を進めていた。こうして04年男子ツアー開幕戦では、出場選手のバッグに複合ヘッドが目立った。

 一方、フルチタン勢が注目したのもやはり弾道とスピンだった。「ゼクシオ」は、クラウン部分やフェースを限界まで薄くして低重心化を図り、最大の特徴だった打ちやすさに加え、高弾道・低スピンがもたらす飛距離も売り物に加えた。スウィングに応じて最適弾道を得られる「r7クワッド」の狙いも同じだ。複合ヘッドとフルチタンとではスタート地点(素材)は違っても、目指すゴールは同じところにある。

 04年9月のドライバー販売ランキング(ゴルフ用品界調べ)は、BSの「ViQ」が2カ月連続の1位で、ゼクシオが2位。そして3位に複合ヘッドのプロギア「デュオレッド」、4位以下は「スリクソンW-404」、テーラーメイド「r5デュオ」、「ウルトラエナDX」とフルチタンが続き、複合勢は7位と9位にマルマン「エクシムナノ」、ミズノ「MP001」が食い込んでいる。上位10モデル中、複合ヘッドは3機種と話題性のわりに意外な結果となっている。

 ゴルフメッセ、飯田正三店長は「当店でも売れ筋上位をフルチタンが占めていますが、最終的には顔の良さで選ばれるようですね。ようやく各メーカーの複合ヘッドが出揃ってきたところですし、音や見映えの問題などが改善されてくれば、フルチタンと複合ヘッドの比率は変わってくると思います」と今後を予測するが、こうなると優劣は、総合力、完成度の違いにかかってくるだろう。

 20年におよぶ開発ノウハウが蓄積されたチタンには一日の長があるが、複合ヘッドにはまだまだ改良の余地はある。唯一、不利な点は部品点数や工程数が多いため、割高になってしまう点だが、普及価格帯の製品が投入されれば形勢が逆転することも考えられるだろう。

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