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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/16
2004年更新
手口は「オレオレ詐欺」にそっくり。倒産した
ゴルフ場会員の不安につけ込む架空請求事件
 全国的に頻発する架空請求詐欺事件が、倒産ゴルフ場会員にも? きさいちCC(大阪)、加茂CC(兵庫)、松尾GC(千葉)など8コースを展開し会社更生中の私市(きさいち)グループで、会員宛に架空請求書が舞い込み、更生管財人は詐欺の疑いが強いとして、会員らに注意を呼びかけている。

 架空と思われる督促請求書は、8月末に、グループの加茂CCの会員の元に。差出人は債権回収株式会社を名乗るG社で、東京都新宿の住所、電話番号と、担当者の2つの携帯番号が記されていた。督促状には、裁判により債権を引き継いだとして「裁判によって支払いを要求する」と、38万円の請求が。この時点では、なにに対する請求なのか一切わからないばかりか、3日以内に38万円を支払わなければ、200万円の損害賠償を請求する、とあった。

 身に覚えがない請求とはいえ、あまりの高額請求に不安になった会員が同社に電話を入れると、「加茂CCは倒産したため、当社が債権を引き継いだ」という説明があったという。

 会員が電話で自ら「加茂CCの会員である」ことを名乗った事実はない。にもかかわらず会員である事実を知っていることから、会員名簿などを入手し請求を行っていたものと見られる。全国でゴルフ上倒産が頻発する中、そうした会員の不安に乗じた詐欺まがいの請求は、極めて悪質といわざるを得ない。

 会員から相談を受けた更生管財人は、ただちにホームページと系列ゴルフ場に佐伯照道更生管財人、児玉実史更生管財人代理名で「注意喚起のお願い」との文書を掲載した。それによれば、

「当職らは、近時、会員権に関して、債権回収会社などを名乗る業者から会員各位に対して、裁判に従って支払いを要求する、などの請求が行われているとの情報を入手いたしました。しかしながら、このような請求を行う業者は弊社とは一切関係がなく、また会員の皆様が会員権に関してプレーフィーや年会費以外に追加のお支払いをしなければならないという事態もございません。このような請求は悪質な詐欺ではないかとみられますので、被害にあわれないようご注意お願いします」

 この件を担当した中西敏彰弁護士によれば、

「その後、事務所や担当者の携帯電話に非通知でかけてみたが一切出ない。架空請求事件では、よくあることだ。会員である事実を先方が知っていたことから、今後、法的処理中のゴルフ場会員に対し、こうした請求が全国的に増えることも予想される。それだけにゴルファーも注意してほしい」

 国民生活センターの調べによれば、架空請求で受けた相談は昨年だけで46万2000件で、今年もその勢いがとどまる気配がない、という。公的機関に似た債権回収会社や、弁護士・法律事務所を名乗るものもあれば、最近では電子メールで請求を行う事例も増えている。実際に国民生活センターにまで架空の督促請求が電子メールで届く始末だという。

 警察庁の発表でも今年7月までに詐欺事件は2609件となっており、被害額は23億4103万円になる。

 国民生活センター情報分析部によれば、ゴルフ会員権絡みに関して最近、こんな相談があったいう。

「10年ほど前に会員権を購入したゴルフ場が倒産したが『あなたのゴルフ場は別会社に譲渡された。ついてはあと10万円支払えばプレー権を保証する』いう連絡があった。それでゴルフ場に直接確認してみたところ、『そのような事実はありません』というので、どうしたらいいのか」といった内容だ。

 このように、会員の不安につけこんだ詐欺行為が、中西弁護士の指摘するように今後、急増することも予想される。

 大事なのはまずは支払いを放置し、脅し文句に屈しないこと。そして自分から電話などをして、これ以上の情報を絶対相手に知らせないように注意を払うことだろう。

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