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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/16
2004年更新
もう「長尺」とは呼ばないけれど46インチが
400cc超ドライバーブームで人気再燃
 この夏、長尺ドライバーの元祖、プロギアから出た「TR-X405デュオ」は45インチと46インチの2本立てで登場し、「45と46インチが半々くらい。早打ちでないお客様は46インチを選ぶ」(ゴルフニューオーシカ・大鹿壽一社長)と46インチモデルの評判がよい。また、セイコーエスヤードの「TXシリーズ」には、カスタムオーダーとして43.5インチの短尺から46.75インチの超長尺仕様まで用意されているが、「オーダーのお客様のほとんどが長尺、それも目一杯の長さの46.75インチをオーダーされます」(セイコーエスヤードゴルフ用品部・室谷氏)とここでも長尺に対するニーズの高さがうかがえる。

 多くのゴルファーが使いこなせず手放したはずの長尺シャフトがいま支持されるのはなぜか?


アニカも46インチ派
 そこには「ドライバーの反発規制後、低重心化競争もほぼ終わり、すぐに飛距離という答えが出せるのは長尺しかない」(クラブ設計家・竹林隆光氏)という背景があるようだ。「以前の長尺と違うのは、ヘッドの慣性モーメントが大きくなって曲がりにくくなっていること。ミート率がヘッドスピードに対する初速だとすると、ミート率は格段に上がっている」

 女子プロには、横峯さくら、上原彩子など45.5インチや46インチの長尺を使う選手が多い。その代表格はアニカ・ソレンスタム。「距離のアドバンテージが大きい。40グラム台の軽いシャフトなら長くても振り切れるし、長くなればミート率は落ちるけど、飛距離とのバランスを考えて46インチに決めた」と明快だ。

 体力的に同等の女子プロのクラブセッティングを真似るアマチュアは多いが、長尺に関しても参考にすべき、と竹林氏は説明する。「以前46インチがドライバーの標準になりかけたのが44.5インチ前後まで戻ったのは、短くても飛ぶというメーカーやメディアの宣伝が大きい。ドライバーとスプーンを比べて、長いクラブはミート率が落ちると信じられているけど、それはむしろロフトのせい。振り切れないと感じるのは慣れの問題です」。

 以前の長尺ブームはヘッドの大型化と切り離せなかった。300ccクラスが主流だった当時と比べて、400ccは当たり前という時代を迎えて、長尺が再び主役の座に着く可能性はあるのだろうか。

 ちなみにプロギアは46インチに「長尺」という表現を使っていない。その理由について「いまのヘッドからすれば46インチが特別長いとは考えていない。むしろ長尺という言葉に対するアレルギー反応が心配」と横浜ゴム広報部・入道晃司氏は言う。

 また、45.5インチの「MG460」が好調の本間ゴルフは、「他社が短いシャフトに移行したときも460ccクラスはずっと45.5インチで通してきました。大きなヘッドは方向性がよく、視覚的に不安がないので長くても問題ありません」(本間ゴルフ営業本部・桑木野洋二氏)。最近、他社が長尺に目を向けはじめたことについては「シャフトの長さうんぬんというより、それだけヘッドが大型化してきたんだなというのが実感」(桑木野氏)と長尺化はヘッドの大型化にともなう必然の流れと受け止めている。

 セイコーエスヤードは、「はじめは45.75インチまでの対応でしたが、お客様からもっと長いのはないのかという要望があったので、46.75インチまで追加しました。ここまで長くなるとヘッドも専用設計となり、投資もばかになりませんが、長尺に慣れたお客様はやはり長尺でないと打てないとおっしゃるので、今後ともそれにお応えしなければいけないと思っています」(同社・室谷氏)

 ただ、「先回りして47インチで規制したUSGAの的を射た判断」(竹林氏)もあって、かつてのようにブームがエスカレートすることはなさそうだ。

「45.5インチが技術とのベストバランスだと判断していますから、これ以上の長さを出す予定はありません」(本間ゴルフ・桑木野氏)「逆にフェアウェイウッドが短くなっているので46から45インチに買い替える人も多い」(ゴルフニューオーシカ・大鹿氏)など、メーカー、販売サイドともに案外冷静な受け止め方をしている。

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