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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/28
2004年更新
5年以上続いたタイガーの世界ランク1位
直接対決で破ったV・シンが遂に射落とす
 努力の人がようやく報われた。練習の鬼の異名を持つ、ビジェイ・シンのことだ。先のドイツ銀行選手権で優勝し、念願のワールドランク・トップの座についたのだ。

 この試合でシンは、最終日に最終組でタイガーとラウンドして優勝、過去5年以上(264週)にわたり、ワールドランクのトップの座に君臨し続けたウッズからその座を奪った。


さあ、何週続くのか?
 現在41歳のシンは、年齢からしても、ここ数年が勝負どころ。それだけに、昨年、賞金王となり、今年始めに好成績を出し「自分のゴルフ人生の中で、一度は世界のトップに立ってみたい」と本心をかい間見せていた。

 しかし、気持ちとは裏腹にシーズン中盤からは、ワールドランクを意識しすぎて、プレーに集中できなくなってしまっていた。それが、8月の全米プロ直前のビュイックオープンから、これまでの中尺パターから普通のパターに替えると同時に、「ランキングを意識するのをやめたら、試合の一打一打に集中できるようになった」と吹っ切れ、そのビュイックと全米プロで2連勝。

 それだけに今回のドイツ銀行でも「自分の目標は、この試合に勝つことだった。ワールドランクのナンバー1は、その結果出てきたもの。もちろん、ナンバー1になれて最高だけど、来週にはまた変わってしまうかもしれない。でも今は自分自身を誇りに思ってもいる」と念願の達成にもかかわらず、淡々と語っていた。天才のタイガーに打ち勝ち、トップの座をモノにするには、そうしたメンタルコントロールと絶え間ない努力が必要だったのだろう。

 今回の優勝インタビューでは「自分がPGAツアーでプレーし始めたときには、スポンサーもつかなかった。毎週、次ぎの試合に出るためのお金を稼がなくてはならなかった。本当に苦労したけど、それがいい経験になって今の自分があると思う」と練習の鬼となった事情を語ったシン。

 念願を達成してしまった今となっては、現在の好調をどう維持するか、トップの座にどうやって来年まで座り続けるかというほうにすでに考えがいってしまっているのかもしれない。たぶん、これまで以上の練習をすることになるのだろうが……。

 いずれにしても、シンは、今回の勝利で、今季6勝。賞金ランクでも約789万ドルと2位のP・ミケルソンに220万ドル以上の差をつけ、今年の賞金王だけでなく、年間最優秀選手にも王手をかけた。ワールドランクでは、2位になったタイガーとは、まだ僅差(12.72ポイントのシンに対してウッズは12.27)だが、今週はライダーカップがあるし、なにより、シンはワールドランクの対象となる過去2年間の出場試合数が57試合とタイガーより16試合も多いために、トータルポイントが多く、下に落ちにくい。いずれはタイガーが返り咲くことになるかもしれないが、今しばらくはシンのトップの座が続くという見方が強い。

 そういえば、シンとタイガーの争いで、あまり話題に上らなかったが、丸山茂樹も、この試合で6位タイとなり、今季の獲得賞金を200万ドルの大台に乗せる一方、ワールドランクでも27位から26位へと着実に上げている。いずれ、シンやタイガーらとトップの座を争うときが来ることを願いたい。

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