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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/21
2004年更新
外国人選手の優勝が続く国内男子ツアー
視聴率でも女子に水をあけられ大丈夫?
 かつてのAONのような核の選手が不在で、外国人選手にあっさり優勝を引き渡してしまっている男子ツアー。宮里藍人気で盛り返している女子ツアーと対照的に、その人気が低迷を続けている。その現状を追った。

 テレビ中継の視聴率が、如実にそれを示している。男女が同じ週に試合がない場合も多いので、単純に比較はできないが、最近のKBCオーガスタとヨネックスレディス最終日・関東地区の例で見ると、男子の3.5パーセントに対し、女子が6.2パーセント。中部地区では男子3.6パーセント、女子7.0パーセントと女子ツアーに圧倒的に負けている。

 KBCまでの今季17試合のうち、日本人8勝、外国人9勝と、日本人選手の弱さが際立つ。日本人選手に強さが見られず、人気がないというのが実情で、対照的に公式戦2勝のS・K・ホとキム・ジョンダク、Y・E・ヤンが合わせて4勝している韓国勢の強さが目立つ。

 日本勢不調の理由として真っ先に挙げられるのは、昨年賞金王の伊沢利光だ。体調不良は本人も苦しいところだが仕方ない。しかし、それなら他の選手が代わりに活躍をすればいいのだが、賞金王目指してひた走る片山晋呉も以前のような勢いはない。

 運営に携わる関係者が明かす。「長い間AONにおんぶに抱っこできたツケが今になって出ている。一時“片山、伊沢、谷口時代”などと言われたが、いずれも波があり、毎年入れ替わり、AONには遠く及ばない。目玉といえばマル(丸山茂樹)なんだけど、米ツアーに行ってしまっている。今年初優勝した神山(隆志)ら、新しい選手も出てきてはいるが、はたしてそれがホンモノに育つまで試合がどれだけ必要なのか」と。

 つまり、ツアーそのものは対して変わっていないが、AON後、選手がさして育っていないということらしい。しかし、こんなことで大丈夫なのか?。

「現在のトーナメントの主催者を見ればわかるが、テレビ局が事業としてやっている試合が大半。つまり採算だけでなく使命感で支えてくれているから何とかここまでもっている。しかし、テレビ局もデジタル化などの設備投資に金がかかり、それどころではなくなってきている。そうなったときはマジでやばい」(トーナメント関係者)と、不安な声が聞こえてきている。

 ファンも、野球やサッカーなど、他のスポーツ同様、世界のトップクラスを見る機会が増えて目が肥えており、国内ツアーがつまらなくなればそちらに目が行くのも当然。つまり、女子ツアーにしても、いつまでも宮里ひとりに頼っていては、宮里とともにファンの目も海外に向くことは容易に想像がつく。

 もちろん、宮里も、それを追う若手も皆、前向きな米ツアー志向。“その時”が来たら、一体どうやってファンをつなぎとめられるのか。今のように必死に“海外流出”を防いだり、その遅延を手放しで喜んでいるようでは、丸山茂樹という目玉選手を米ツアーに取られたときのような男子の現状が遅れてやってくるに過ぎない。だからといって前途ある選手を引き止めるなど言語道断だが、対策はなされていないのが現状だ。

 結局、男女ツアーとも、対策を講じているようで、景気任せではあまりにも無策。やはり、アメリカにおけるT・ウッズのようなスーパースターの出現をただ待つしかないのか。

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