週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

------最終日は激戦でしたね。

「いきなりスタートで2連続ボギー。2番で3パットしたのですが、それで『俺はいったい何やってるんだろう』と。『これがプレッシャーか』と思った途端に逆に吹っ切れて、そのあと巻き返すことができましたが、『どうなるんだろう』という葛藤は18番まで続いてました」

------優勝インタビューでは涙もこぼれましたね。

「1打差の接戦で、しかも終盤には並ばれるなど苦しい戦いを制したという喜びがこみあげてきました。あと3日目から応援に来てくれて両親の前で勝ててよかったなあ、と思ったとたんについポロっと……。インタビューでは素直に両親への感謝の気持ちが溢れてきましたね」

------そのほかにも感謝したい人がたくさんいるとか。

「まず、昨年からお付き合いさせてもらっているヤクルトの岩村明憲さん。同じ四国出身でひとつ上の先輩にはメールで『何苦礎魂（なにくそだましい）』で頑張れと。岩村さんの座右の銘なんですが、僕も気に入ってボールにプリントさせてもらってるんです。ピンチのたびにその4文字を眺めて、勇気をもらいました」

------大学の安部靖彦ゴルフ部監督から国際電話があったとか。

「監督はタイから、わざわざ電話で『お前ならできる』と。実は僕は学生時代に2度、退部勧告を受けているのですが、『頭を丸めてやり直せ』と言って引き止めてくれたのが監督でした。その翌年に中四国アマで連覇を達成するなど、きっかけをつかむことができたんです。あのまま辞めていたら、今の僕はありません。だから今でも、監督には頭が上がらないんですよ」

------今後の目標は？

「欧州ツアーでやってみたいと思っています。8月23日時点の賞金ランク30以内の上位3人にファイナルQスクールの出場権が与えられるそうなので、できればその資格で挑戦したいと思っています」

------アメリアでなく欧州？

「ヨーロッパは米ツアーよりも世界を股にかけるイメージ。いろんな国に行けるし、そういう生活は若いときにしかできないだろうと。結構、冒険好きなんです。つねに人と違うことをやりたいタイプなんですよ」

------「次は宮里」と言われる中、後輩を押しのけ、結果的に初優勝は学年順になったが……。

「もともとアマ時代から優作のほうが経験も上だったし、僕自身、優作はすぐに勝つだろうと思っていましたから、後輩より先とか後とかは意識していません。勝つには経験以外の何かが必要で、僕はたまたまそれをつかむことができただけ。最終日の18番で待っててくれた優作には『次はお前の番だぞ』と言っておきましたよ」