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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/17
2004年更新
メーカー契約も露出度、メリット考えたら
無名ツアープロよりも有名レッスンプロ!?
 用具メーカーは、昔から人気実力プロと契約することにより、メディア等通じ、トップダウンで商品を宣伝している。そのため、一部のトッププロには莫大な契約金が提示される一方、露出度の少ないプロとの契約は慎重になっている。それに代わって着目され出したのが、有名レッスンプロ、ティーチングプロたちだ。

 先ごろ、SRIスポーツは全米を代表するティーチングプロのひとりで、フィル・ミケルソンも指導するリック・スミスと用具の使用契約を結んだ。日本ではまだ無名だが、アメリカでは、米ゴルフダイジェスト誌の選ぶトップ50インストラクターの4位にランクされる人気ティーチングプロ。同社は、契約の狙いを「全米ではまだ余り知られていないスリクソン・ブランドの認知度と同時に、信頼度を上げるため」(広報担当・藤田英明氏)と説明する。

 トッププロでも同様の効果を期待できるが、ツアープロの場合、長期間、安定してメディアに登場することは保証されない。浮き沈みがあるということ。その点、人気レッスンプロは雑誌などでの連載企画もあり、安定的な露出が期待できる。もちろん自身のスクールでは、常時、レッスン生に対しアピールすることになる。加えて、今回は使用用具のアドバイザー契約も結ぶので、つねに用具に関する意見、要望を吸い上げられる。感覚を重視するツアープロよりも適格で理論的なアドバイスを与えられるということもあるのかもしれない。

 また、「2次的なメリット」としながらも、スミスがパイプ役となって指導しているプロへのアプローチも期待できると語る。実際、スミスも今回の契約に当たり、「スウィング指導に留まらず、スリクソンのバックアップのもと、教えているプロにギアを推薦し、彼らの可能性をさらに広げたい」と抱負を語っている。

 SRIスポーツによれば、メディアの露出度で計れば、メーカー側が有名レッスンプロを放っておく手はないという。事実、同社はかつて、あのレッドベターと契約し、期待通りの宣伝効果を上げたという。

 また、ブッチ・ハーモンも現在、ウィングリップと契約。同社は、ハーモンを使った販促ビデオを作って全米のショップに配付している。

 単にメディアに登場するだけではなく、イベントやレッスンビデオなど、彼らを使って積極的なPRを仕掛けられるのも、契約のメリットのようだ。

 国内のレッスンプロも、有名どころは軒並みメーカー契約を結んでいる。内藤雄二はプロギアと、井上透はナイキと。また、江連忠は今年1月、ロイヤルコレクションとアドバイザー契約を結んだ。

「今年、スーパーCV S.F.D というアベレージ向けのクラブを発売するにあたり、その層に訴えるには、ツアープロではなくレッスンプロのほうが説得力があるという判断から契約することになりました」(マーケティング担当者)

 さらに同社の場合は、江連プロの理論と知名度を活かし「江連オリジナル」のアイアンを今春発売した。

 マルマンゴルフは00年に坂田信弘との間で、それまでのモニター契約から一歩進んだ用具契約を結んだ。

「うちのクラブは中高年が中心ターゲット。その層に支持されるプロといえば、ツアープロも含めて、坂田プロ以上の存在はないでしょう。オジさんゴルファーのカリスマ(笑い)ですからね」(広報担当・大塚賢二氏)と語ったうえで、同氏は、「どのメーカーも限りある予算の中で、効果的な宣伝効果を狙っています。その点、このところレッスンプロに対する一般ゴルファーの関心の高まりはツアープロにもヒケを取りません。メーカーが着目するのは当然でしょう」とメーカー側の事情を述べる。

 バブル期には、国内でもアマ時代に活躍した選手がプロ入りするや、億単位の契約金が飛び交ったという噂があった。今は何より実績が評価される時代なのだろう。

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