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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/10
2004年更新
今年の全英OPで吹き荒れたもうひとつの
“日本旋風”はハミルトン使用のあのクラブ
 ビッグネームの活躍する中、今年の全英オープンを制したトッド・ハミルトン。日本ツアー出身のため、日本のファンには馴染みの深い選手だが、欧米では無名プレーヤーといってよい。実は、この優勝に付随して、もうひとつ、ゴルフ界での無名プレーヤー? が、旋風を巻き起こしている。

 タイトリストと契約するミケルソンが、マスターズに勝ったと思ったら、テーラーメイドのR・グーセンとハミルトンが、タイトリスト(エルス、ミケルソン)を抑えて、全米、全英を制している。クラブメーカーの間でも、メジャーで目立つのはビッグネーム・カンパニーばかりなのだが、ここに伏兵が現れた。それが「ソナテック」だ。先の全英オープンで、最終日プレーオフの最終ホールの第3打。絶体絶命と思われたピンチでハミルトンが取り出したのが、このソナテックのMdユーティリティウッド。ピンまで約30ヤードの場所から大胆に転がして寄せ、見事パーセーブ、優勝の栄冠を勝ち取ったのだ。

「このクラブは非常に融通の効くクラブで、ティショットでも随分使ったし、グリーン周りでも利用した。使っているのは14度のロフトのもので、転がすのにも最適」などとハミルトンが語ったため、全英オープンを放映するアメリカのテレビが「モスト・バリュアブル・クラブ(最優秀クラブ)」と呼び、一躍注目を集めたのだ。

 ソナテックというのは、日本のロイヤルコレクションのアメリカでのブランド名。アメリカでは、ほとんど知られていなかったが、実はPGAツアーでは、ここに来て、急激に同社のフェアウェイウッド、ユーティリティウッドを使用するプロが増え始めていた。

 全英直前のジョンディーアクラシックでの使用率のフェアウェイウッド部門では、テーラーメイド、キャロウェイに次ぎ、45名の選手が使用(しかもほとんどは契約外)しており、話題になりかけていた矢先での、ハミルトンの勝利。しかも2日目までトップだったS・ケンドールも、このクラブをバッグに入れており、ブレイクするのも当然といえるのかもしれない。

「とにかく、電話が鳴り止まない状態。アメリカ中のプロショップや小売店が、在庫を増やそうと、注文が殺到している。どれくらい売上げが増えたかって? USAトゥデー紙が3倍になったと書いているが、あれは全英オープン翌日の月曜日のこと。それ以来、毎日のように注目が高まり、正確な数を把握しきれないくらい。たとえば、我社のホームページのアクセス数は、全英の直前まで、月に6000前後だったが、それが今では1日2万件のヒットがあるといえば、どれくらいの反響かわかってもらえると思う。ハミルトンが使用していたのは、本来17度のロフトを調整して立てたもの。Mdは、ネック調整が可能なクラブで、ライ角度もロフトも選手に合わせて、曲げることができるので、それも人気のひとつかもしれない」と、カルフォルニアにある本社のボブ・ゴットフレッドソン営業担当副社長は、嬉しい悲鳴を上げている。

 同氏によれば、本誌の電話インタビューの直前まで、シドニーのラジオ局のインタビューを受けていたとのことで、アメリカに限らず、イギリス、南アフリカ、豪州と世界中から取材申し込みが続いている状態。

 忙しいといえば、ハミルトン本人も同様で、全英が終わってから「48時間、ほとんど寝ていない状態。(優勝したことの)税金みたいなものかもしれないけど、嬉しい忙しさだね」と言い、20日にはニューヨークメッツの始球式に出たり、人気テレビショーに出演したりと、12カ所でのアポイントをこなし、一躍時の人になっている。

 そういえば、彼のラッキー・ボールマーカーは50円玉とか。ハミルトンもソナテックも、日本のゴルフ界から出てきたヒーロー。これからのさらなる活躍を応援したいところだ。

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