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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/3号
2004年更新
今年の全英OP米国予選会では、2日間で
約半数が棄権、R&Aは不快感示す
 全英オープンの予選会に問題があるのか、それともワールドランキングに問題があるのか? 出場資格を巡っての論議が、試合終了後も尾を引いている。

 今年の全英オープンを見ていて「アレ?」と思ったファンも少なくないはず。毎年のこととは言え、無名の選手が例年以上に多いうえに、常連組があまり参加していなかったからだ。

 実は、今年から、全英オープンではアジア、南アフリカ、豪州、アメリカと、イギリス以外の世界各地でも、36ホールの予選会を行っていたのだが、こうした予選会での出場枠を増やすために、主催のR&A(ロイヤル&エンシェント)は従来の参加枠を削っていた。それはそれでいいのだろうが、R&Aを怒らせたのは、そのうちアメリカでの予選会だ。

 実は、コングレッショナルCCで行われた予選会には、120名がエントリーしながら、最終的に36ホールをプレーし終えたのが、わずかに61名

「こんなに多くの棄権者が続出するとは驚いたし、大いに失望した」と語ったのは、R&Aのピーター・ドーソン事務局長だが、結局約半分の選手しか完走しなかったわけで、15名の出場枠を途中から変えるわけにもいかず、イギリスで予選会より、かなり甘くなってしまったのだ。

 一方、イギリスの予選会では、I・ウーズナム、B・ランガー、J・M・オラサバル、J・パーネビック、J・ローズといったビッグネームらが出場権を得られなかったため、R&Aだけでなく、欧州のファンも怒り心頭になっていたというわけだ。

 そして、こうしたファンの怒りは、そもそもなぜこういったビッグネームらが予選会から出なくてはならないのか、という方向に向かい、ワールドランキングに対する批判の声まで再燃することになっている。

 たとえば、大会前のニューヨークタイムズ紙では「たとえば、田中秀道は、伊沢利光よりもいいゴルフをしている。全米オープンで予選落ちした伊沢に対し、田中は36位。ゴルフウィーク誌のランキングでは、(ワールドランキングで欧州ツアーや日本のツアーで上位にくると、トップの選手が出場しなくても与えられる)ミニマムポイントを加算しないために、田中の60位に対し、伊沢は135位。ところが、ワールドランキングでは、伊沢(100位)は、日本をメインにプレーしているために、田中の順位(130位)のほうが下になっている」などと、批判の眼が、ワールドランキングだけでなく、日本ツアーの選手にまで向けられる始末なのだ。昨年の賞金ランク1、2位も含め日本ツアーから計7人に出場資格を与えていることに対する皮肉もあるのだろう。

 そして、全英の直前になって、体調不良で欠場を決めた伊沢は仕方ないとしても、直前の週の米ツアー、ジョンディーアクラシックで優勝したM・ヘンズビーもせっかく土壇場で出場切符をゲットしたのに不出場、さらにダメ出しのように、F・カプルス、S・エルキントン、F・ファンク、T・ワトソンといったトップ選手らがこぞって棄権。そんなこともあり、例年以上に見慣れない顔ぶれの多い全英オープンになってしまったのだ。

 来年以降の世界の全英予選会については、「怒っているときには何もしないのが賢明」(ドーソン事務局長)としながらも、来年は、ひょっとしたら日本からの出場予選枠も含め、出場資格の変更が再び行われる可能性も出てきている。

 全英オープン回避といえば、かつてのジャンボ尾崎が有名だが、ますますこの傾向が強くなってきたようだ。世界最古の大会の歴史の重みを感じてほしいものだが……。

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