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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/1号
2004年更新
会社更生中の伏尾GC、外資参入を嫌う
会員の反発でスポンサーが国内企業に変更
 法整理の名のもとには、会員は無力なのだろうか。いや、そんなことはない。古くはニューセントアンドリュースGCジャパン(栃木)で、会員がゴルフ場経営に乗り出す先鞭をつけた。最近では、清川CC(神奈川)が会員の結束で、外資との戦いに勝利し、中間法人での運営に移行している。そして、今度は“関西パワー”が炸裂した。

 播磨興産グループのひとつ、伏尾ゴルフ倶楽部は、大阪府池田市で昭和37年10月にオープンした、27Hの歴史あるゴルフ場だ。平穏な倶楽部ライフを送っていた約2300名の会員を突如襲ったのが、平成14年11月18日付の1通のメールだった。内容は“プレー権付き債権として譲渡可能な『永久債』への移行が最善の方法と決断しました”というもの。

「寝耳に水、非常に高圧的で、切り換えなければプレー権もなくなるぞ、といった文面でした」と、ある会員は振り返る。

 実質的な経営権を握っていた倉商グループ(大阪・冷凍倉庫業)には、その前段があった。同じ播磨興産グループの、佐用GC(昭和50年開場の36H・兵庫)では、その年の1月に同様の「永久債」への切り替えを要請、3月までに約3000名の会員のうち3分の2が応じていたのである。そこで「これはいける」と踏んだのだろう。伏尾GCと昭和35年オープンの愛宕原GC(27H・兵庫)の会員に対し、やはり同様の要請をしたわけである。

 すぐに立ち上がったのは、伏尾の会員で弁護士の13名。

「こんな馬鹿げた話はありません。弁護士は一匹狼的な人が多いのですが、このときばかりは結束しました」とは、代表の宇津呂雄章氏。氏は、現在「伏尾GC更生委員会」委員長を務め、会員の陣頭指揮に当たっている。この13人が連名で、大阪地裁に会社更生法申立を申請したのが、平成15年1月23日。これにすぐさま反応したのが会社側だ。同月26日に、民事再生法の申請を同地裁にしている。

 そこで弁護士の小松洋一郎監督員が会員にアンケートしたところ、約90パーセントが「会社更生」を望んだ。が、なぜか地裁は民事再生手続きの開始を決定した。そこで終われば今回の話はないわけだが、小松監督員は再度アンケートを取り、90パーセントの会員が「民事再生反対」を表明した。それを受け、大阪地裁は逆転、更生法開始を決定。これが7月18日のことである。小松氏がそのまま更生管財人に就任し、会員は代表機関になる50人からの「更生委員会」を立ち上げた。

 ここから問題になるのが、スポンサーの選定だ。交通至便で歴史あるゴルフ場獲得に名乗りを挙げた企業は、実に14社にのぼり、その後、管財人のもと、最終的に外資系と国内企業の2社に絞り込まれた。

 そして、応札金額は蓋を開けると、予想通り外資系企業が国内企業を圧倒、約20パーセント高かった。債務をできるだけ圧縮したい管財人としては、通常なら高額提示の外資、(今回の場合ゴールドマンサックスといわれているが)を選定するところだが、ここでも会員パワーが発揮される。

 更生委員会が、再び会員にアンケートを取った。今度は「外資か国内か」と。この結果、負債総額150億円(金融債権など60億、会員権債権90億円)の過半数を超える約80億円の債権を保有する会員が「国内企業」を選択したわけである。

 この会員の結論は、無視できない。というのも、更生計画案の賛否で債権額の過半数で「ノー」となれば、外資系企業をスポンサーとする案は否決されてしまうからだ。そこで、小松更生管財人は、滋賀県にあるタラオCCを経営する三栄建設をスポンサーに選定した。

「会員の総意ですから。われわれは、外資がどこなのか、国内企業がどこなのか全然知らされてはいませんでした。不安がないわけではありませんでしたが、とにかく伏尾に外資は相応しくないということでした」(前出・宇津呂氏)

 応札額が高くても、安い料金でパブリック的な運営をするイメージの強い外資の参入は、できれば避けたいと考えたのだろう。三栄建設がどんな形で経営に乗り出すのか、今後に注目だが、なにより会員の力が反映された形となったわけだ。何事も、黙っていてはいけない?

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