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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/9号
2004年更新
“人生山あり谷あり”を地でいくデーリー
復活優勝の陰に今季から契約のクラブあり
 ジョン・デーリーがビュイック招待で優勝した。95年の全英オープン以来、実に8年6カ月22日ぶりの米ツアー勝利だが、大復活の陰には何があったのだろうか。

 最悪期には世界ランクも500位から外れてしまったこともあるデーリー。その後一時期、01年には欧州ツアーのBMWインターナショナルオープンに勝つなど賞金シードは確保できるくらいにまで復活したが、昨年は妻と義父の逮捕劇が加わり、また成績が下降していた。

 年度末の賞金ランクは171位、世界ランクは299位まで落ち、95年の全英オープン優勝による10年シードの資格で今季に臨んだ。だが、昨年までの低迷の割りには今季の出だしはまずまずで、ボブホープでは30位タイ、FBRオープンでは54位タイと連続予選通過。そして今回のビュイック招待でL・ドナルド、C・ライリーとのプレーオフを制して優勝。昨年と今年で一体何が違うのかと言えば、明らかに異なるのは彼が手にしているクラブだ。

 昨年はシャフトメーカー、ペンリーとの契約こそ続いていたものの、クラブ契約を失い、色々なメーカーのクラブを使っていたデーリー。しかし、今年1月に米ダンロップ(日本の会社とは無関係)と契約、同社の新アイアン『rgデザイン・ブレード』と『rgデザイン・レッドネックパター』をバッグに入れた。『rg』とは、同社クラブデザイナーのリック・グレイ氏の頭文字。

 このモデルはプロや上級者を対象にしたプレミアムモデル。米国内では3月から市場に出荷される予定だが、「ジョンはトラディショナルな顔のマッスルバックを求めていたので、我が社がちょうど開発中だったrgを勧めたんです。彼の優勝で出荷の予定が繰り上がりそうな勢い。彼はとくにパターが気に入っているようです」とは、同社マーケティングディレクターのJ・ダフィ氏。

 確かに、ビュイック招待でも、パット・イズ・マネーの言葉通り、肝心な場面でパットを決め、それが優勝をもたらしたともいえるのだが、「オレはパットのとき、マネーのことなんか考えてない。ただ勝ちたいと思ってパットしていただけ。だって、オレは誰よりも早くお金を使ってしまうから、そんなこと考えても仕方ないよ」と笑わせていたデーリー。久々の復活優勝を妻と4人の子供たちとともに喜ぶデーリーの生の声をお届けしよう。

------優勝おめでとう。今の気持ちは?

「グレート! この10年間、随分山あり谷ありだったけど、ずっと頑張ってきてよかった」

------プレーオフでライリーのパットがカップに蹴られ(優勝が決まった)ときの心境は?

「複雑な気持ちだったけど、ある種の安心感がこみ上げた。ああ、とうとうまた勝ったぜって感じでね」

------復活優勝まで長い道のりでしたね。

「3日目に『もし明日、優勝できたら、オレのキャリアの中で一番うれしいビクトリーになる』って言ったけど、その通りになった。そりゃ、これまでのメジャー2勝は格別の喜びだけど、今回の優勝まで、とにかく長い長い歳月だったからね。オレはこれまで米ツアーでタイガーが出ている試合で勝ったことがなかった。だから、強豪ぞろいの中で勝った今回の優勝は本当にうれしいんだ」

------もう2度とこんな日が来ないのではと考えたこともあったのでは……。

「そりゃ、ない。またいつか必ず勝てると信じていた。そうでなかったら、オレは試合に出ることをやめていたはずだ。以前、ピーター・ジェイコブセンが『ジョン、どんなことがあっても、才能は決して逃げていかない』と言ってくれた。あの言葉がずっと頭の中にあったんだ」

------最終日のラウンド中、バックナインだけで10本近くタバコを吸ったのでは?

「いやいや、軽く1箱は吸ったよ(笑)。そんなの普通だよ。オレのスローガンは『いいクラブさえあれば、健康管理なんか必要ない』だ。オレはその教えに従っている」

------いろんな問題も起こしたアナタのこの優勝は、多くの人々を驚かせていますが……。

「誰の人生にもアップ&ダウンはある。ただ、オレの場合は、それがすべて皆に知られてしまうだけ。ここ数年、ずっと体重の問題も抱えていて、医者からはなるべく多く水を飲めと言われた。もちろん、ちゃんと水も飲んでるけど、オレは今でもダイエットコークをたくさん飲む。大切なのは、人生で直面する問題に自分自身がどう対処し、どう切り抜けていくかってこと。何を言いたかったかって言うと……オレはオレのやり方で優勝した。それが人々を驚かせたかどうかはオレには関係ない。誰かがジョン・デーリー優勝に驚いているとすれば、すごいこと。驚いてないとすれば、それもまたすごいこと。それだけだ」

------今後は何を目指す?

「間に合うかどうかわからないけど、ワールドランクを上げてマスターズに出られたらうれしい。オーガスタに戻りたいね」

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