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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/6・13号
2004年更新
不動に始まり、不動で終わった1年
“宮里藍効果”で男子の人気上回る
 高校生・宮里藍のツアー制覇、そしてプロデビュー、不動裕理の年間10勝、4年連続賞金女王。03年国内女子ツアーの話題は、ほとんどこの2人がさらった格好になった。

 開幕戦を不動が制し「今年も不動の天下か」と始まった03年だったが、序盤はイ・チヒが2週連続優勝を果たし、また前年度賞金ランク2位の藤井かすみも第4戦でシーズン初Vと、追撃ののろしを上げた。ツアー最高賞金大会・ヴァーナルレディースには、「日本の賞金女王になること」をゴルフ人生の目標としているク・オッキが勝ち、一気に「戦国時代」の様相に。約2年ぶりに優勝を手にした98年賞金女王の服部道子、02年ランク3位のコウ・ウスンも交え、激しい女王レースが繰り広げられつつあった。

 が、6月初めに“自己最速”ペースでシーズン3勝目を果たした不動が、その後はトップの座を誰にも渡すことなく、2位との差をグングン広げて独走態勢に。8月までにすでに5勝、9月の日本女子プロでメジャー初Vを果たすと、翌週のマンシングウェア東海で2週連続、シーズン7勝目達成で早くも1億円突破。その後も他の追随を許すことなく、最終戦・ツアーチャンピオンシップで国内前人未到の10勝目まで成し遂げた。

 年間獲得賞金も1億4932万円余、史上初めて男子賞金王の金額を上回り、平均ストロークなどの部門別ランクもほとんどで新記録をつくり完全制覇。それでも不動自身の自己採点は「70点ぐらい」で、国内最終戦の翌週に行なわれた日韓対抗戦では「男子の賞金を抜いて日本一、と言ったって、ちょっと日本を出ればこんなもん(パク・セリに76対70で完敗)ですから。条件が悪くなればなるほど実力の差は出てくるもの。やっぱりトップと言われる人はああでなきゃ」とさえ話している。

 一方、その不動の活躍ばかりに終始しそうだったツアーに大きな刺激を与えたのが、9月のミヤギテレビ杯でアマチュアとして30年ぶりに女子プロ競技を制した宮里の存在。優勝時の盛り上がりもすごかったが、その後のプロ宣言、プロデビュー時のフィーバーぶりはすさまじかった。宮里はデビュー戦・伊藤園レディスでは予選落ちに終わったものの、翌週の大王製紙エリエールでは20位タイ。3戦目のツアーチャンピオンシップでは出場22選手中最下位だったが、「この1年はとても充実してたし、この試合に出て『もっと上手くなりたいな』と本当に思った。どんどん練習して、少しでも不動さんに近づきたい」と謙虚に語り、素晴らしい1年の最後が屈辱で終わったことが、今後のプロ生活へのジャンプ台となることを期待したい。

 このほか、古閑美保、大山志保と、いわゆる清元登子門下生が揃ってツアー初優勝を果たし、賞金ランクもベスト10入りしたことも不動、宮里の活躍の陰に隠れた特筆すべき話題だった。また、シーズン終了後に入籍を発表、04年の出場権を争うQTにも出場せず、04年は推薦出場など10試合程度に留めるという小林浩美、さらにツアーQスクールを上位通過後、国内シードにも滑り込み、さらにツアー最終戦週に両足首の靭帯を損傷するという激動の一年を送った東尾理子の今後が心配だ。

 国内では8月のNEC軽井沢72で2年連続Vを果たしたものの、近年の米ツアーでは奮わない福嶋晃子も、スウィング改造でどこまで復調してくるか。

 また、とくに後半、テレビ視聴率では毎週のように男子ツアーのそれを上回った女子プロ人気は04年も続くのか

 宮里、不動ら今季の主役になった選手に正念場となるのはもちろん、ツアー全体にとっても新シーズンは今後を左右する勝負の年となりそうだ。

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