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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/25号
2003年更新
ゴルフ歴わずか4年の竹末裕美が初優勝
プレッシャーに負けず、逃げ切れた理由
 海外からK・ウェブら強豪が参戦したマスターズGCレディースで、弱冠21歳の竹末裕美がツアー初Vを飾った。メジャー5冠のウェブを振り切り、4打の大差をつけたのも凄かったが、驚くのは彼女のゴルフ歴がわずか4年であること。「3日間競技はプロテストが初めて」と言うルーキー・竹末が涙の初優勝の心境を振り返った。

------優勝争い中、緊張しているように見えませんでしたが?

「いや、そんなことありませんよぉ。すごく緊張してました。2日目トップに立ったときは全然平気だったんですけど、最終日の前半に2つスコアを伸ばし、“あっ、これはいつもと違うな”と思ったら、急にコチコチになってしまって。18番のティグランドでは、体が動かなくなって焦りました。で、途端に右にミス。OBかとドキドキしたけど、セーフの白旗が上がって、本当にホッとしました」

------18番のファーストパットを寄せて涙がこぼれましたね?

「3パットでもいいや、と思って打ったら寄ってくれて“やっと勝てるんだ”と思ったら、安心して涙があふれてきちゃったんです。勝つまでは“優勝してもまさか泣くわけないじゃん”と思っていたので、自分でもびっくりしました」

------びっくりと言えば、ゴルフ歴4年で優勝というのが凄い。

「周りの皆さんから見れば信じられないでしょうね。でも一番信じられないのは本人なんですよ。プロ入りして1年足らずで勝てるなんて思ってもいなかったし、他のプロと比べて技術はまだまだ。とくに小技は下手だし経験もない。ただ運だけはあるほうかもしれませんが」

------今季は優勝争いしながら、最終日に崩れた場面が何度かありました。

「はい。ヨネックスでは最終ホールで5パットもやりましたし、悔しい思いもいっぱいしてきました。だから最後のパットを入れた瞬間は、そんな悔しかった思いが一気に押し寄せてきて泣けてきた。でもそれらひとつひとつがいい経験になっていたんでしょうね。5パットしたときも“今度こういう場面に遭遇したら、もっとこうしよう”と前向きにとらえて、気持ちを切り替えられたのが良かったのかな、と」

------直接的な勝因は?

「実は試合の前日から体調を崩し、37度5分の熱を出していたんです。初日の朝も体がだるくて力が入らず、ラウンド後、病院に行ったら風邪で扁桃腺が腫れている、と言われました。でもそれでかえって余分な力が抜けて、意外にもすごくショットが良くなったんです。それまで慣れない連戦の疲れがピークに達して、思うようなゴルフができなくなっていたんですが、体調を崩したせいでショットのヒントをつかむことができた」

------風邪さまさま?

「ですよね。風邪のせいで早くなり過ぎていたテンポがゆっくりになって、力が抜けたことが大きかったと思います」

------ところで優勝の反響は?

「凄かったです。携帯に着信履歴がいっぱいあったので、最初は連絡を返していたんですが、その途中でキャッチホンがバンバン入って収拾がつかず、“もう、いいや”と思って電話するのは諦めました。家に報告の電話を入れたときも、父が『よく頑張ったね!』と言ってくれたんですが、実家にもお祝いの電話がひっきりなしに入ったみたいで『忙しいから切るよ』って慌ただしく(電話を)切られちゃいました(笑)」

------これで獲得賞金2000万円を超えました。

「去年の今頃は考えられなかった世界です。だって昨年の収支はマイナス。年収いくらっていう前に赤字でしたから(笑)」

------今週は(宮里)藍ちゃんがデビュー。意識しますか?

「私も頑張らなきゃと思っていい刺激になります。ギャラリーに“観て良かった”と思ってもらえるような、いいプレーをしていきたいですね」

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