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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/9号
2003年更新
今流行のネットオークションによるクラブ
売買で詐欺事件、取引で気をつける点は?
 群馬県警生活安全企画課と桐生、前橋東の両署は今月11日、インターネットのオークションサイトでゴルフクラブを売るように装った詐欺の容疑で、長野県内在住の男性容疑者を逮捕した。ネット上でのゴルフクラブなどの売買が当たり前になりつつある今、詐欺事件が相継ぐネットオークション売買の危うさを確認しておきたい。

 ネットオークションというのは、オークションを運営するサイトに主に個人の売り手が、現物写真など出品商品の詳しい情報をつけて出品する。それに応じた入札者の中から、出品者は基本的に最高価格をつけた人を落札者に指名。メールなどで代金と商品の受け渡し方法を決めるが、通常は代金が支払われたのを確認後、出品者が商品が送付する。

 オークション売買は出品者が個人なので、以前から詐欺事件は頻発していた。そのため、ネットオークション最大手のヤフー・ジャパンでも、従来の取引評価(売買相手が取引の実績を評価する。信用度の判断とされる)に加え、利用者を有料の登録制にする、万一の場合の補償制度を充実させるなどの対策をとっている。

 そこで今回の詐欺事件だが、警察発表によれば、容疑者は昨年5月にインターネットのオークションサイトにゴルフクラブを出品。それを群馬県内の男性が落札し、4万2500円を指定された銀行口座に振り込んだ。ところが、1カ月近くたってもクラブが届かない上に、容疑者と連絡が取れなくなったために、6月中旬に地元の警察に届け出て、今回の逮捕に至った。

 調べに対して、容疑者は「ほかの警察にも説明しているが、詐欺ではない」として容疑を否認している。

 この件について同県警に問い合わせたところ、「捜査中の事案なので、お答えできない」という返事。最終的に立件できる事案なのか不明だが、実は県内では同容疑者による同様の詐欺被害の届けが他にもあるとのこと。たとえ詐欺事件にはならなくても、落札者がネット上のクラブ購入でトラブルに見舞われたことは間違いない。

「たしかにネット取引の中でもオークション売買における詐欺めいた事案での相談は増えています。詐欺被害を避けるには、実際に相手と対面し、現物と引き換えで代金を支払うのが一番ですが、それではネット取引の意味がなくなりますしね。しかし、メールのやり取りだけで信用せず、例えば固定電話の番号を聞き、何度か確認の連絡をしてみるくらいの注意は払うべきですね」(生活安全企画課)

 実は、ネットオークション詐欺は多発している。昨年11月には被害総額4億円以上という巨額の詐欺犯人が逮捕された。また、先月もオークションサイトに不正アクセスし、他人のIDを使用し、ウソの出品情報を流し、架空名義の銀行口座に代金を振り込ませた容疑者が捕まっている。その被害総額は1200万円にものぼるという。

 それでもこの種の詐欺が事件になるのは、氷山の一角なのだそうだ。

「少額のため、泣き寝入りするケースが圧倒的に多いようです」とある関係者は証言する。オークション詐欺でもっとも多いのは、もちろん「お金を振り込んだのに、買った商品が届かない」というもの。

「配達が証明される宅配便ではなく、なんだかんだと言って郵便での配送にしようとする出品者は危ない。商品が届かないからクレームを言っても『送った』の一点張りで、しまいには郵便事故で自分に非はないと開き直られる」と先の関係者。

 逆に、商品が届いているにもかかわらず、届いていないと言い張り、振り込んだお金の返金を要求する「クレーム詐欺」も存在するのだそうだ。頻繁に出品する人は、以降の取引評価が落ちるのを恐れ、仕方なく応じるのだという。

 顔が見えない分、だますつもりの人間は大胆な行動に出るのだろうか。便利さの裏には、必ず落とし穴があることを心しておこう。

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