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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/17号
2003年更新
ヘッド体積470CC、シャフトの長さ48インチ等
反発係数に続きUSGAがクラブ規制案発表
 米国ゴルフ協会(USGA)が、01年の12月と02年の1月に発表したヘッド・サイズの制限とクラブの長さの制限に関する提案は、当時、メーカーの反発もあって、その後ナリを潜めていたが、ここに来て再度、修正案が発表された。今度はUSGAもやる気のようだ。

具体的な制限内容は、ヘッドのサイズは470CCを限界(460CCプラス10CCの測定誤差)としたのに加え、ヘッドの高さも2・8インチ(約7・1センチ)まで、トゥからヒールまでの幅も5インチ(12・7センチ)までとの制限を加えている。さらに、前回の提案では47インチだったクラブの長さ(パターを除く)は、48インチを上限にするという案になっている。ただ、今回の案については、R&Aと協議を重ねた上での共同提案という形を取っている上に、来年のルールブックに盛り込む予定まで計画されていることから、7月14日まで公聴期間を設けるという提案とはいえ、この内容で押し切るとの見方が強い。

 実際、「これまでにUSGAに提出されたクラブには、470CCを超えるヘッドはない。今回の上限はかなり寛容的な数字といえるだろう。ただ、サイズを制限する場合、体積だけでは十分でなく、今回は高さ、幅の制限を加えたが、これについても、これまでUSGAに提出されたすべてのクラブを測定し直し、この数字を超えるヘッドがないことを確認して決めた」とUSGAのシニアテクニカル・ディレクター、ディック・ラギー氏が語るように、メーカーからの反発がないよう、今回はしっかりと計算している。

 確かにUSGAでは、同協会への提出はされていないものの、470CCを超える大型ヘッドのドライバーが市販されていることを認めてはいる。実際、今年の米国のPGAショーでは600CCを超えるヘッドのクラブも登場している。そうしたクラブがUSGAに提出された場合は、認定、不適合の判定は行わず、来年に今回の提案が正式にルール化してから不適合とする一方で、1年間の猶予期間を与え、04年末までは公式試合でも使用を認める方針だそうだ。

 それにしても実際、すでにこの5月から500CCの大型ヘッドドライバー「ツインマークス500」(18万円)を大々的に宣伝して発売している本間ゴルフは困惑顔だ。

「はっきり言って寝耳に水です。USGAにはすでに提出済みですが、タイミング的に微妙で、ちょうど向こうの発表と同じくらいでした。私どものスタンスとして、ルールを遵守する姿勢は従来通りですが、このドライバーはすでに市場に出回り、かなり好評を頂いております。とにかく、購入して頂いたお客様が不利益を被らないようにすることを第一に考え、近日中にUSGAとR&Aに対し、1年という猶予期間を反発係数と同じ07年の末までに延ばしてもらうよう提案するつもりです」(同社・広報担当)

 今回の規制提案の根本には、もちろんドライバーの飛距離制限があり、反発係数の制限に続き、総合的にドライバーに制限を加えようという意図があるが、大型ヘッドの恩恵を受けているのはアマチュアで、ツアープロたちには大きな影響は出ないと見られている。そうした意味では、今回の規制はアマチュアが対象なのではといった批判もあるが、これに対し、前出のラギー氏は「プロが大型ヘッドのクラブを使用しないという考えは誤りだ。10年前には200CCを超えるヘッドを使用するプロはいなかったし、2~3年前までは300CCを超えるヘッドを使用するプロもいなかった。それが今では400CCを超えるドライバーを使用している選手もいる。すでにヘッドは大きくなりすぎており、歯止めが必要だった」と答えている。つまり、将来に対しての布石という意味での制限で、時が経てば経つほど、より大きなヘッドのクラブが開発されるため、早めにルール化してしまおうという意図があるようだ。

 来年1月は、4年に一度のルール大改訂の時期に当たることから、クラブフェースの反発係数を図る簡易測定器とともに、新ルールの導入にUSGAは意欲的だ。これで残るは、ゴルフボールの新飛距離制限だけということになってしまった?

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