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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/29号
2003年更新
今年のマスターズでは大企業の顧客接待が
激減、不況に加え女性入会問題も影響か?
 今年のマスターズ。月曜日の練習ラウンドが風雨で20年ぶりにキャンセルになったが、異常事態はこれだけではなかった。マスターズ開催で潤っていた、地元オーガスタの街が、今年はパトロンからの収入が激減し困惑していたのだ。

「責任は私にあるのではなく、文句があるなら、オーガスタナショナルに言うべきよ」と語ったのは、オーガスタに女性入会を主張してきた女性団体、NCWOのM・バーク会長だが、経済的なダメージが大きかっただけに、対イラク戦争、経済不況、そして、この女性メンバー入会問題と、皆が責任のなすりあいをするほどなのだ。

 オーガスタの街への経済的打撃は、ダフ屋のチケット価格にも表れていた。本戦の4日間通しの入場バッヂは、試合前で1500ドル前後。コースの外にいたダフ屋は「去年は本戦が始まる前は2500~3500ドルはしていたから、今年は昨年のほぼ半額近い。これで試合が始まると、売れ残りを恐れてどんどん安くなるから、どこまで落ちるかわからないよ」などと話していた。

 ちなみに昨年は800ドルくらいまで値下がりしたが、タイガーがマスターズに初優勝した年には、1万ドル前後にもなり、チケットを集められない旅行代理店が自殺者を出したことを考えれば、雲泥の差といえる。

 では、なぜこんなことになったのか? 基本的にはマスターズに呼んで顧客接待するのをやめる大手企業が続出したからだ。経済が悪くなり始めたし、ちょうどオーガスタの女性問題や戦争勃発などで、ちょうどいい機会とばかりに取りやめたのだろうが、アメックスやシティバンクなど、それこそ長年のオーガスタの「お得意」も今年はこういった顧客接待を行わなかった。

「去年までは、自宅を1週間1万ドルで貸していたが、今年は自宅と、もう一軒約束したところもどちらも埋まってない。個人客が多く、皆ホテルに泊っている。また去年はリムジンだったのに今年はレンタカーと、みんな安く上げているんだ」と地元のチケットブローカーのJ・マリンス氏は語っていた。全体の入場者数が減ったわけではないようだが、こうした企業絡みのギャラリーの激減で、ケータリングサービスやレストラン、パーティ会場、あるいはプライベートジェット利用者減などでオーガスタ空港の収入減といたる所に影響が出ているのだ。

大企業の株価が60パーセントも落ち込みを見せているのだから、ゴルフトーナメントでのパーティにお金を落とす企業も少なくなるはずだよ」とは、地元でケータリングサービス会社を経営するK・ゴールドスミス氏だが、これでイラクの戦後処理が長引き、経済がさらに悪化すれば、たとえ女性メンバー問題が解決しても、来年以降も、同じような状況が続くだろう。

 ちなみに、試合前の記者会見で、20年後には女性メンバーも入会しているか? との質問にオーガスタのH・ジョンソン会長は「20年後のことなんてわからない」と答えるのみ。ひょっとしたら、この会見の席で女性の入会を発表するのではという噂があったが、従来通りのポリシーは変えなかった。

 この女性メンバー入会問題が、大手企業がマスターズでの顧客接待を取りやめるきっかけにもなっていることを考えると、オーガスタの街が再びマスターズで潤う時代が来るのには、今しばらく時間がかかりそう?

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