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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/10号
2002年更新
庶民の人気飲料「ホッピー」がゴルフ場に
登場 6月の道交法改正の影響ジワジワ
 今年6月の道交法改正で酒気帯び運転の罰則が強化されてから、ゴルフ場でもアルコール度数が1パーセント未満のいわゆる「ノンアルコールビール」の消費が爆発的に伸びている。そこへ国内大手ビールメーカーの新規参入も相次ぎ、ますます市場を広げる可能性もある。そんな中、熟年世代にはちょっと懐かしいノンアルコール飲料がゴルフ場でウケ始めた。

 その懐かしい飲料というのが、「ホッピー」だ。もともと戦後、庶民にとっては高嶺の花だったビールの代用品として大ヒットしたノンアルコールビール(以下、NAビール)。安価で不味い焼酎も、ホッピーで割れば美味いビール味になるというので、庶民の間に爆発的に広がった。今でも赤提灯の下がる庶民的な飲み屋などで年配のサラリーマンたちを中心に根強い人気を誇っている。そのホッピーが、意外にも東京都の18カ所のゴルフ場で人気を博しているという。

 きっかけは、やはり道交法の改正。最初はGMG八王子ゴルフ場の森川幸美社長が東京都ゴルフ場協会の会長であることから、率先して飲酒運転を減らそうと、NAビールの普及に乗り出した。その意向を受けて目をつけたのが業務用に樽生でも販売されていたホッピーだった。「これまでのNAビールとは違い、コクもキレもほとんどビールと変わりません。9月に販売すると、その月はNAビールがビール飲料の20パーセントを占めたのですが、そのほとんどがホッピーです」とコースの担当者。

 PRの成果もあり、さっそく人気が出てきたホッピーだが、実は現在ゴルフ場ではホッピーの名を伏せ、単に「樽生ノンアルコールビール」として売られている。

「まだ昔の代用ビールのイメージがあり、遠慮される方がいらっしゃるので、私どもの戦略としてそういたしました」(ホッピービバレッジ(株)・石渡美奈取締役)ということで、若い頃ホッピーにお世話になった人も、そうとは知らずに喉を鳴らしているのようだ。

 さて、こうした美味しいNAビールの登場で「どうせビールが飲めないのなら……」とラウンド後のパーティーを自粛していたゴルファーの間にも、パーティー復活の動きも出てきたそうだ。ただし、ノンアルコールといっても、ほとんどは税法上は酒類にならない1パーセント未満のアルコール分を含んだ「超低アルコール飲料」だ。そのためメーカーもゴルフ場も、運転前の飲用は避けるようにと呼びかけている。

 ちなみに、GMG八王子ではNAビールの他に、NAワインなども用意。さらには、八王子市内の4ゴルフ場と提携して、運転代行業者と契約するなど、飲酒運転の回避に務めている。

 こうしてゴルフ場での人気沸騰の予感もさせるホッピーだが、「ビン入りは大丈夫ですが、樽生タイプは管理が難しいうえに、製造の対応にも限界が……」(前出・石渡さん)と、反響の大きさに多少戸惑い気味だ。

 さらに、国内メーカーもNAビール人気に乗り、代名詞的存在だった宝酒造「バービカン」(昨年20万ケース。今年目標の30万ケースを10月までに販売する伸び)に加え、11月初めにサントリー「ファインブリュー」、12月初旬にはサッポロ「スーパークリア」が参入する。

 そのサントリーによれば、NAビールは今年市場全体で、昨年比150パーセント増の120万ケースの出荷が見込まれているそうだ。ただ今後、どんなに美味いNAビールが出ても、飲み方を誤ると検問で検知されることだけはお忘れなく!

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