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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/22号
2002年更新
日本でゴルフ場買収進めるGSグループが
今度は米最大手運営会社のAGCを買収
 米投資ファンドのゴールドマンサックス(GS)グループ)がアメリカンゴルフ社(AGC)を買収した。米企業同士の買収劇で日本のゴルファーには関係がないようにも思われるが、GSグループは今年に入り、スポーツ振興、日東興業グループ等を次々と買収、今や国内で70コース近くを持つ日本最大のゴルフ場グループのオーナー。一方のAGCは米国を中心に、世界中で約300コース強の運営を行う最大のゴルフ場運営会社。今回の買収劇が、日本に与える影響も少なくなさそうだ。

 この買収はGSグループが、スターウッド・キャピタルグループ(以下スターウッド)と共同して、ナショナルゴルフプロパティ社(以下NGP)と同系列のAGCを2億4600万ドル、プラス推定約8億5000万ドルの負債を含めて買収したもの。

 AGCとNGPの関係は、基本的にはNGPが米国を中心に約120コースを所有、AGCにリースの形で運営を委託しているというもの。

「90年代を通じて、ゴルフコース建設は非常に盛んだったが、入場者数はほとんど増えなかった」(ナショナル・ゴルフ・ファンデーション、J・トンプソン広報部長)ということで、ゴルフ場の供給過剰となり、AGCが経営危機に陥っていた。今回の買収劇の発端は、そのAGCがNGPにリース料を支払えなくなったことにある。それでNGPもAGCの経営危機の煽りを受けたため、上場会社のNGPは株主を保護する目的で、AGCと相互に株を持ち合い、事実上合併状態となっていた。そこへ今回のGSグループによる買収となったのだ。

 一方のGSグループでは、マネジング・ディレクターのヘンリー・コーネル氏が「私たちは、世界最大のゴルフ場所有会社、そして運営会社を買収できたことに満足している。今回の買収は、業界をリードする企業に投資するという私たちの経営戦略に沿ったもので、さらにこの会社を大きくすることが楽しみだ」と語り、今回の買収が最終的に完了する来春以降、さらにゴルフコースを買収していく意向を明らかにしている。

 コーネル氏によれば、「今回の買収は、日本における買収とは直接関係ない」ということだが、将来的には影響が出てくる可能性もないではない。

 ひとつには、今回GSグループとともに出資しているスターウッドは、傘下にシェラトンホテルやウエスティンなどの高級ホテルチェーンを抱えていることから、今回買収したコースのレストランやプロショップなどの運営に協力する模様で、その方式が日本でのゴルフ場経営にも持ちこまれる可能性も十分にあるというわけだ。

 また、投資会社であるGSには、レジャービジネスに対するノウハウがあるわけではなく、実際、数年前には米国ボーリング場チェーンのAMFを買収後、倒産させた経歴がある。それだけに、今後のコース経営に、日本に触手を伸ばしつつあったAGCの経営ノウハウに頼らざるえない部分があり、国内ではまだ麻生CC(茨城)の運営しか行っていないAGCだが、GSグループとのコンビで今後日本のコース運営に関わる可能性も十分あるといえる。

 一方で、米国のゴルフ場ビジネスの環境は好転しているわけではない。つまり、買収したコースの経営不振が続けば、投資会社の常として、あっさり転売して利益を得るという方向性も十分考えられる。それは日本におけるゴルフ場についても同じこと。GSグループ所有の国内ゴルフ場の今後が注目される。

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