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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/15号
2002年更新
昨今の女子ツアー、目玉はジュニア選手!?
アマ国際競技続く宮里藍巡り争奪戦展開
 激化する“宮里藍争奪戦!”。スター不在の女子プロゴルフ界において、ツアーの目玉として扱われることが増えている若いアマチュア達。それが加熱し、その裏ではとんでもない事態が起きていた。

“16歳宮里悔しい3位”“17歳宮里、V候補不動、デービーズと直接対決・大会初アマチュアV狙うわ”“横峯・スーパー女子高生”“すごいぞ! 史上最年少決勝R進出・12歳9カ月金田”などズラリと並ぶスポーツ紙の見出しも、現在の国内女子ツアーが若手アマ頼りであることを証明。中でも群を抜くのが前出の宮里藍(東北高2年)だ。

 宮里は昨年の日本女子オープンで強風下の難コース、室蘭GCで、プロたちが悲鳴をあげる中、5位に入って周囲をうならせた。今年は大本命と言われた日本女子アマでこそ準決勝で涙を飲んだが、すでにプロの試合に4試合出場。予選落ちは1試合だけで9月のフジサンケイレディスでは優勝争いに加わった末に4位に入っている。

 これらの大活躍でアマチュアながら商品としての価値はうなぎ上り。実際「トップアマたちのレベルは高く、活性化もしていて非常にいい状態。プロトーナメントのオープン競技に、彼女たちを出場させ、アマがプロに混じって優勝争いをする展開は、トーナメント作りとしては不可欠な要素になりつつある」と、フジサンケイレディスの事務局関係者が明かすが、もちろんその中でも宮里は頭ひとつ抜けている。

 普通に考えれば、今週開幕の日本女子オープンでの活躍が期待されるところだが、残念ながら4年に1度のアジア大会(韓国・釜山)と日程がぶつかり、宮里は代表に選ばれ、そちらを選択したため出場できない。アジア大会代表に選ばれるのは基本的にトップアマだから、この日程自体にも疑問は残るが、それ以上の事態が勃発していた。

 9月22~23日には高知国体に出場。アジア大会の翌々週には世界アマ(10月16~19日、於マレーシア)を控える多忙な宮里が先週のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(9月27~29日)の出場を断ったため、スポンサーが激怒。あちこちに圧力をかけまくったというのだから、ことは穏やかではない。

 この大会は、宮里が通う東北高校がある宮城県・レインボーヒルズGCが会場のいわば地元トーナメント。早い時期に主催者推薦での出場を打診された宮里は「できれば出たい」という意志表示をしていた。

 一方、アジア大会、世界アマの代表は選ばれてみなければわからないもので、それ以後に代表入りが決まった。アマチュアだけに当然この2試合には出たい。日本女子アマ時には「(代表に)選ばれれば(日本女子オープンより)アジア大会に出たい」と公言。そして代表入り。こうなると9月、10月は超多忙。大切な団体戦に照準を合わせたい宮里は9月始めにミヤギテレビ杯側に「申し訳ありませんが……」と辞退を申し出ている。これに大会側が激怒した。

 主催者は(株)宮城テレビ放送と(株)日本ダンロップ。このうち“ミヤギテレビ杯”として大会を続け、30周年記念開催に燃えている宮城テレビが、ドンデン返しでの宮里獲得に乗り出した。

 繰り出すアノ手コノ手。現場レベルから役員レベルまでが、東北高校からJGAの関係者などあらゆるところに連絡をして「○○出場をとりやめさせろ」「アジア大会か世界アマのどちらかひとつをやめてこっちに出させろ」と言った内容をねじ込む有様に、関係者は呆れ嘲笑するしかなかった。

「プロ相手ならとにかく、アマチュアにまでスポンサーの都合を押し付けるなんて」とゴルフ関係者からは批難の声が出ているが、このことが逆に国内女子ツアーにおけるアマチュアの価値を再認識させたのも事実。

「はっきり言って魅力のあるプロが少ない。アマチュア選手の活躍で発奮し、危機感を持ってもらえば……」というツアー関係者の声を女子プロたちはどう聞くのだろうか。

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