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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/30号
2002年更新
日本予選枠からの全英OP出場者はこの2年
10人全員予選落ちも、今年は期待度大
 今週開幕の第131回全英オープン。他のメジャーに比べて日本人出場者が圧倒的に多いことから、4大メジャーの中で、日本人に最も身近な大会とも言われているが、今年も9人の日本人が挑戦する。

 ちなみに、最多の2000年で10人、昨年は9人で、今年も同じく9人の日本人が挑戦する。今年の出場者のうち丸山茂樹、伊沢利光、片山晋呉は5月末時点でのワールドランク上位50人の資格で。手嶋多一は昨年の日本オープン優勝者。昨年の日本ツアー賞金ランク上位3名の資格で、伊沢、片山(伊沢、片山は重複、3位は米国籍のD・ウィルソン)がそれぞれ資格を得ている。上記の他に、日本ツアーにはさらに2つのカテゴリーが存在する。

 ひとつは、94年から行われている日本予選枠で「(今年の場合は)日本プロからミズノオープンまでの6試合の賞金ランク上位4人(他のカテゴリーでの有資格者を除く)」に出場権が与えられる。今年は、久保谷健一、中嶋常幸、谷口徹、鈴木亨の4人がこの資格を得た。さらに98年から「ミズノオープンの最上位者」というカテゴリーが設けられ、今年の最上位者となったD・ウィルソンが有資格者なので2位の宮里聖志が出場権を獲得した。

 広く世界に門戸を開き、その時期に力のある選手を日本から招くというR&Aの思惑から、こういった日本への出場枠拡大策となったと思われるが、実際のところ結果が現れていないのが現状だ。過去この日本予選枠から出場した選手40人のうち予選通過者は11人。過去5年に絞ると、20人中、予選通過は僅か3人。ここ2年ではゼロという惨憺たる成績だ。このままではせっかくの日本予選枠も削られるのではと心配する声が出るのも当然だ。

 そこで、今年、日本予選枠から挑戦する5人に意気込みを聞いてみた。まず、予選トップの久保谷は、離日直前の試合(イーヤマカップ)まで優勝争いを演じるなど、まさに今、最も調子がいい日本人選手だけに期待がかかる。

「英国は行ったことがないので早く向こうの風とグリーンに慣れることが大事。日本人選手の結果が出ていないのは、たとえば日本の小さくて止まるグリーンで練習して果たして向こうで通用するのかとか、風の少ないこの時期の日本から向こうへ行ってすぐに対応できるのかという問題もあるのでは。ただ、僕自身は楽しみだし、一生懸命やって結果を待つという感じでやりたい」と抱負を語った。

 中嶋は7年ぶり9度目の全英出場。全英では86年にはG・ノーマンと優勝争いをした経験もあり、周囲の期待は大きい。

「世界の素晴らしい選手たちと同じ場所でまた戦えることを幸せに思っている。日本予選通過者は予選落ちが多いというが、私は自分への期待を込めて戦うだけ。自分へ期待を持って諦めなければ、厳しい中にも必ずチャンスは巡ってくると思う。過去のデータや、経験は忘れ、新しい気持ちで戦ってきたい」

 谷口徹は、昨年の唯一の日本人予選通過者だった。今年も再び予選通過に期待がかかる。

「もう経験を何回か積んでいるのだから、予選通過後のことを考えないといけないと自分では思っている。過去、予選通過者が少ないから日本人のレベルが低いと考えるのはおかしいと思う。むしろ、個人レベルでコースや状況に対応しきれていないことが結果に現れているのでは。ただ、大勢出たほうが、可能性があるのだから日本人にとっては良いこと」と冷静に分析する。

 鈴木亨は過去2回、日本予選枠から全英に行ったが、いずれも予選落ちに終わっているだけにリベンジの思いも強いはず。

「全英の吹きさらしの風は受けたことがないとわからない。120ヤードを6番アイアンで打つなんて経験は日本ではまずできない。そういった経験を積むためにも日本予選からの出場枠は必要。個人的には、日本予選枠での出場権獲得で燃え尽きてしまい、本戦では潰れてしまうというのが過去の2回のパターンだった。今回は、上り調子で臨めるので楽しみ。過去2回とも糸巻きボールだったが、今年は風に強い2ピースで臨む。アイアンのソールを平らにして硬いフェアウェイにも対処する」と、過去の経験を活かしたラウンドに期待できそうだ。

 宮里聖志は風の強い沖縄出身で、精神面での強さもあるので初出場ながら期待できそうだ。

「メジャーにこんなに早く出られるとは思っていませんでした。目標は予選通過。過去の出場選手のデータは全く気にせず、プラス思考でいきます。地面が硬いことは聞いているので、転がしを練習しておこうと思っています。僕は宮里家の切り込み隊長。下の弟妹の将来の出場のために、先にメジャーを経験してきます(笑)」と頼もしい。

 過去、片山晋呉や谷口徹、田中秀道なども、この全英の日本予選で資格を得てメジャーを経験し、即その場で結果を出せたわけではないものの、世界の舞台で戦える実力をつけてきた。それだけに、将来へのいい経験の場とはいえるが、今回の出場者には、経験を積んだ選手も多く、経験を積むだけでなく、結果も期待したいところだが……。

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