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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/23号
2002年更新
米ツアーでショートウッド使用者急増中
やはりギアの流行は日本から発信される!?
 7番ウッドや9番ウッドといったいわゆるショートウッドが米ツアーでブレイクしそうな雰囲気だ。先の全米オープン出場選手のメーカー別使用クラブが、ダレルサーベイ社から発表されたが、今年はショートウッド使用者が急増していることが明らかになった。

 まず、数字から見てみよう。今年の全米オープンでは、出場156名中、5番ウッドは53名、7番ウッドは15名、9番ウッドは5名が、少なくとも調査を実施した初日にはバッグに入れていたのだ。これに対し、昨年の全米オープンでは、5番が33名、7番が7名、9番はわずか1名。5番以上のクラブの本数で言えば、一気に32本も増えた計算になる。さらに2年前、ぺブルビーチでの全米オープンでは、5番ウッドが31名、7番ウッドが3名だったというし、この年の米ツアーでは、5番ウッドの使用者は、わずかに25名だったというから年々増えてきてはいるものの、今年は倍増に近い飛躍的な伸びを示したといえる。

 たしかに今年の全米オープンは「ドライバーとスプーンで打ってもグリーンに届かないパー4があるんだから信じられないよ」と丸山茂樹が語っていたが、距離の長いホールが多く、今年のコースは特別といった見方がないわけではない。実際、C・ディマルコなどは、全米オープンの週だけ「9番アイアンを車のトランクに入れっ放しにして」4本目のウッドをバッグ入れたといった例もある。

 しかし、「コースの距離が年々長くなっているのだから、フェアウエイウッドを使用する選手も増えて当然」(P・エージンガー)で、コースを改造して距離を延ばすのが、トーナメントコースのトレンドになりつつある以上、今回の全米オープンだけが例外というわけでもなさそうなのだ。それに、エージンガーをはじめ、V・シンらビッグネームたちが9番ウッドを使用したというイメージ効果も見逃せない。

 まだまだ米ツアーでは、T・ウッズに代表されるように、「プロのウッドはドライバーとスプーンだけ」といったイメージがあり、ショートウッドは、女子プロやシニア選手の使用率が高いためか、格好悪いと思う選手が多いようだ。そうした意味でも、シンやエージンガー、ディマルコといったビッグネームらが、4本のウッドをバッグに入れたことの心理的効果は少なくないはずだ。

 食わず嫌いが多かったとすると、全米オープンで必要に迫られて使用してみたら、意外に重宝なクラブだと認識する選手も出てくるはずで、今年の全米オープンが、米男子ツアーにおけるショートウッド大ブレイクのきっかけになる可能性は高い。

 モデル別に見ると、米ツアーの御用達、一番人気はキャロウェイの「スチールヘッド」。とくにこれまでの3番ウッドに替えて、ロフト15度の「スチールヘッド4プラス」をバッグに入れる選手も多かった。

 ショートウッドといえば、ツアー界では片山晋呉がその先駆者的存在だが、彼が昨年の全米プロで7番ウッドや9番ウッドを駆使して4位に入る活躍を見せたことで、米国人選手を刺激したということもあるだろう。

 そもそも、今や全盛のチタンヘッドのドライバーや、糸巻きに替わるいわゆるソフトツーピースボールも日本から発信されて米ツアーで遅れて流行っていった。こと用品に関しては、日本ツアーのほうが進んでいるといえそうだ。

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