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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/19号
2002年更新
今年は例年より半月以上早い営業再開も
低迷する北海道ゴルフ界には恵みの雪解け
 先週、経済産業省が発表した商業販売統計によれば、この1月は暖冬の影響で、冬物衣料や燃料の消費が大きく落ち込んだそうだ。消費不況に悩む日本経済にとっては、冬は冬らしい方がいいのだが、ことゴルフ界に限っては、暖冬はありがたい天からの恵み。それも今年は、飛び切り破格の恵みを授けてくれたようだ。

 この冬、雪国では例年にない早さで寒波が訪れ去って行ったようである。

「暮れのクローズは例年より10日程度早い12月10日でした。ところが、その後は一時的なドカ雪はありましたが、積雪は全般に少なく、今年の春は早めのオープンになりそうだとは思っていましたが、まさか2月中に営業できるとは……」と驚きを隠せないのは、2月25日にオープンした秋田CCの志田登克支配人。

 同支配人によれば、1961年の開場以来、2月中の営業再開は79年以来2度目とか。もともと3月9日のオープンを予定、会報で告知もしていたが、予想外に早い雪解けに、23日、急きょ2日後の25日の再開を決めた。もちろん、そのために現場では様々慌しい準備作業があった。

「実は9日の営業再開に合わせて、テレビCMを作っていたんです。その宣伝コピーも『オープン予定』から慌てて『営業中』に変えました」(志田氏)。

 そんな急な再開だから、初日25日の入りは50人、翌26日も60人とイマイチ。だが、あまりの早期開場に地元メディアが大きく紹介したことから、27日には150人もの、春を待ち焦がれるゴルファーの到来があった。

 2月の営業再開が、地元メディアでさらに大きく報じられたのが、北海道の苫小牧郊外にあるミサワ北海道ゴルフリゾートだ(24日から営業)。

「2月再開なんて、まずありえないことですから、NHKを含め6局あるTV局のうち5局までが取材に来られました。毎年、道内で一番早く営業するので、例年2~3局の取材はありますが、5局は初めて」(支配人代理・晴披雅宏氏)

 北海道ではそれほどの出来事なのだ。なんでも2月オープンは20数年も前に、帯広周辺のゴルフ場が話題作りでいったん営業したことがあるだけとか。

 ところで、同ゴルフ場も当初は例年と同時期の3月16日オープンを予定していたが、2月上旬にいったん雪が消えると、北海道中のゴルファーから問い合わせが来始めた。

「北海道一早くオープンするコース」として知られているためである。そこで2月10日頃、2週間後の23日の営業開始を決定した。ところが、それからの2週間は雪は降る、雨が降ってそれが凍りつくなど天気に翻弄されっ放し。

「結局、毎日雪掻きすることになりました。実は、オープン予定前日の22日にも7センチの積雪があり、止むなく1日遅らせたんです」(前出・晴披氏)

 そうした苦労の甲斐あって、オープン当日から、北海道中から申し込みが殺到、連日予約を断っている状態。実際、再開直後に同コースに電話をかけたが、いつも話し中。

「雪かきで凝った筋肉が、今は受話器を握りっ放しで、手の筋肉が硬くなる」とフロント担当者。

 ところで、北海道のゴルフ場業界では、長引く不況に破綻するコースが増加している。昨年は8コース、今年も春を待たずに破綻するゴルフ場が相次いだ。「北海道内に限ったことではありませんが、今年は倒産ゴルフ場がさらに増えるとみられています」と、道内のある業界関係者。そんな中、この春の早期開業はかすかな温もりになる。

例年なら売上げゼロでもおかしくない3月に、営業すれば1日100万円単位で予定外の収入が入るわけで、本当にありがたいですよ」(前出・業界関係者)

 北海道のゴルファーのためにも、この先、寒の戻りがないことを願いたいものだ。

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