週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/22
2014/4/14更新

アコーディアが所有90コースを売却へ
会員らへの影響は?

 3月28日、アコーディア・ゴルフ(以下、ア社)が『アセットライト』なる手法で、現在133コースある保有ゴルフ場のうち、90コースを運営受託方式に切り替えることを公表した。90コース所属の会員数は約14万人。プレー権や預託金の返還請求先がどうなるのかなど、影響を追った。

 複雑な仕組みを要約すると以下のようになる。

 まず、90コースを保有するア社の子会社を、ア社とは無関係の資産の流動化を目的として設立された特別目的会社に、会社ごと売却。その特別会社は買った子会社を吸収合併する。ア社は受け取った売却代金を自社株買いや銀行への返済に充てる。

 運営は特別会社からア社が受託し、受託手数料を受け取る。売上げも経費も特別会社のものになり、手数料収入だけになるア社の売上高は大幅に下がるが、利益率は上がるので株主価値は向上するという。

 年会費、預託金債務、プレー権の保証などの帰属先は全て特別会社になるが、全てア社が窓口になって手続きを代行するので、「会員にとっての全ての手続きは従来通り」(ア社広報)。

 特別会社の親会社はシンガポール籍で、ここが現地で上場し、ア社からコース所有会社を買う資金を調達するが、特別会社はあくまで日本法人。預託金返還請求訴訟は東京地裁で起こせるし、「プレー権の維持も運営受託契約で縛り、シンガポールの投資家の意向で剥奪されることはない」(ア社広報)という。

 もっとも、実現には6月下旬開催のア社の株主総会での決議が必要になる。現段階ではアセットライト実施後のア社の業績予想など、株主の判断に必要な数字が何も公表されていない。株主が賛同するかどうかなど、実現の可能性がわかるのは数字の公表後になるだろう。

 
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