台風15号被害のコース営業再開。地域貢献も
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2019/10/29号
2019/10/25更新

台風15号被害のコース営業再開。
地域貢献も

 千葉を中心に大きな被害をもたらした台風15号。クローズを余儀なくされたコースが多かったが、ようやく全箇所、営業再開にこぎつけたようだ。

 9月下旬、東日本ゴルフ場支配人会の労働安全衛生会が行われたが、その時点で、10数コースが営業再開の日程が決まっていなかった。それでも9月18日時点では50コースが再開の目途が見えなったことからすれば、急ピッチで復旧が進んだものと思われる。停電、断水、通信網遮断で、最後まで遅れていたコスモクラシックC(南房総市)、鹿野山GC(君津市)も再開した。

 被害状況としては1000本以上、倒木したゴルフ場もあったというが、何より被害を大きくしたのは停電の影響だった。さらにゴルフ場の従業員の疲労も同衛生会では報告された。

 9月9日の台風上陸後も3日間暑い日が続き、停電もあってエアコンも作動せず、ゴルフ場作業員は慢性的疲労のなかで作業。二次被害が起きやすい状況だったことも報告された。こういう緊急事態の時は無理をせず、従業員は休息をとる必要があるとの課題も残されたようだ。

 今回の台風がこれまでと違う動きをしたのも想定外の被害につながった。千葉県支配人会会長で、千葉夷隅GC総支配人の岡本豊氏は次のように話す。「台風が東京湾に入ってくること自体が稀です。房総半島の先をかすめることはあっても、東京湾に台風の目ができた記憶はありません」

 一方で、災害から学んだことも多かったという。停電が長く続いたなか、大多喜城GC(大多喜町)、米原GC(市原市)など10数コースが地元住民に風呂を提供。1日600人が1週間ほど利用したコースもあり、地域住民に喜ばれたという。「地域の避難場所としてハウスを提供するなど、地域貢献、社会的貢献をゴルフ場が担うことができた。今回の経験を生かしたいと思っています」(前出・岡本氏)

 しかしながら、台風15号が去って1カ月。被害からの復旧が進むなか、早くも19号の関東接近が予報(10月8日現在)されており、油断はできない。コースを含め、地域にこれ以上被害が出ないことを祈る。

  
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