論争拡大。どうなるボールの飛距離制限
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2017/12/19号
2018/01/26更新

論争拡大。
どうなるボールの飛距離制限

 ゴルフボールの飛距離制限の話題が"拡大"している。

 タイガー・ウッズが語り、さらにタイガーのスポンサーであるブリヂストンゴルフのトップが「プロの使用するゴルフボールの飛距離の制限が必要だ」と発言したことは、前号の小欄でも紹介した。すると、今度はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、USGAのエグゼクティブディレクターのマイク・デービス氏のインタビュー記事を掲載。このなかで、デービス氏が「タイガー・ウッズがどんなに遠くに飛ばそうと私は気にしないが、現実には、(プロの飛距離が伸びていることは)ゴルファーたちに悪い形で影響を及ぼしている。ゴルフコースは拡張され、これからさらに拡張されることが予想される。それは結局、ゴルフの費用を押し上げることになり、その影響は恐ろしいものになっている」と語ったのだ。

 これに対し、タイトリストを傘下に持つアクシネット社のウォーリー・ユーラインCEOが猛反発。もともとデービス氏のインタビューは、ゴルフボールの問題に限定したものではなかったが、話の流れから規制問題中心になったことと、WSJ紙が、R&AとUSGAがボールの制限を検討していると伝えたことから、タイトリストとしては黙っていられなかったのだろう。

 ユーライン氏は「こんな馬鹿げた話の証拠はどこにあるのか。ゴルフ用品の技術革新でゴルフ場の運営費用が上がっているなんて証拠はどこにある? ただ、ゴルフコースの開発業者とそれをサポートする設計家たちが、(コースに隣接する)不動産を売るために『チャンピオンシップコース』をあまりに多く作りすぎたことが原因だ」といった内容の手紙をWSJ紙に送ったという。氏は、ブリヂストン社についても「ゴルフボールの飛距離の制限を問題にするのは、営業上の動機では」と一喝。

 試合にもよるが米ツアーの選手の60%以上、世界マーケットで50%以上のシェアを誇るタイトリストにすれば、ボールの飛距離制限、あるいは統一球なんて話になれば大打撃を受けることは間違いない。この問題、まだまだ尾を引きそうだ。

 
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