週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/23
2013/4/15更新

初Vの堀を支えた
岩さんと父母

 アクサで初優勝を飾った堀奈津佳(20)。栄光までの道のりには彼女を支える父母の愛情と力士の友情があった。


試合後、200通ものお祝いメールが届いたという

 堀が東京・中野区にある貴乃花部屋の朝稽古を訪ねたのは、2010年、高校3年生のクリスマスのこと。すでに江連忠ゴルフアカデミーのある神戸に母親とともに徳島から移り住み、プロテストの予選を受け始めていた頃だった。

 貴乃花部屋でちゃんこをご馳走になっているとき、堀が声をかけたのが部屋頭でモンゴル出身、当時はまだ幕下の貴ノ岩だった。堀が「モンゴルのお相撲さんは、どうしてそんなに強いんですか?」とたずねると、貴ノ岩は「ボクたちは強くならないと故郷に帰れないから」。

 堀は決して運動神経がいいほうではない。しかし、練習はやめろといわれなければ、いつまでもやり続けるタイプ。貴ノ岩との出会いで「自分より必死になって頑張っている同年代は、ゴルフ界だけでなくいろんな分野に山ほどいる」(堀)との思いを強くしたようだ。

 その後、堀はプロテストに合格、ステップアップツアーで2勝すると、堀が「岩さん」と呼ぶ貴ノ岩は、昨年七月場所で十両に昇進して関取となり、今年の初場所では十両優勝を果たしている。その後も、堀が場所見学をしたり優勝の際に花を贈るなど交流は続く。そうした岩さんとの友情が今回の堀の優勝につながった。

 堀は長女。責任感が強く、両親が生活費を切り詰めてまで、ゴルフさせてくれたことをよく知っている。とくにサラリーマンの父は、堀の高校時代は徳島から香川の寒川高校に毎日車で送迎し、現在は徳島でひとり暮らししながら生活費を稼いで母娘に送金する生活。この5年間、晩酌は発泡酒で我慢してきた父に、堀は優勝後「今日だけは思う存分ビールを飲んでね」と声をかけたという。家族に支えられ、岩さんらの仲間にも恵まれた堀。今後もさらに活躍が期待される。

 
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