週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/2号
2012/9/24更新

メジャー初制覇の有村。
賞金女王と世界挑戦をめぐる父と心の葛藤


ビッグタイトル獲りました!

 有村智恵が念願のメジャー初優勝を飾った。くしくも昨年手首のケガで出場を断念した日本女子プロ選手権。女子プロナンバーワン決定戦を制したことで、俄然、賞金女王の可能性が出てきた。

 シーズン3勝目にして2520万円を獲得した有村は、8117万円強まで獲得額を伸ばし、賞金ランク3位に浮上。1位のジョン・ミジョンとはおよそ2000万円、2位のアン・ソンジュとは1700万円の差があるものの、本人の口から「追いつくのに不可能な額ではない」と逆転賞金女王に向けた発言も出た。実際、9月末に行われる日本女子オープンの優勝賞金は2800万円で、これを獲れば逆転もあり得る。

 もし有村が賞金女王に輝けば、09年横峯さくら以来3年ぶりの日本人女王の誕生となる。だがそのこと以上に有村には女王にこだわる“理由”がある。

 それは「悩みに悩んだ末」来季の米女子ツアー出場権をかけた今秋のQスクールに出場することを決めたから。世界に羽ばたきたい有村にとって“女王”の肩書きは、じつはノドから手が出るほど欲しいもの。

 かねてから東北高校の1年先輩の宮里藍に強い憧れを持つ有村は、秘かに「藍先輩のように早くアメリカで戦いたい」という思いを抱いていた。しかしコーチの父・明雄さんは米ツアー挑戦に反対の立場をとっている。4年前に、親交のある宮里優さと「藍ちゃんは世界一を、智恵は日本一を目指す」と約束した経緯があるからだ。そのため娘には「名実ともに日本一になれ!」といままでハッパをかけてきたし、1度日本一になってから、米ツアー挑戦は考えてほしいと思っている。だから、現状の米ツアー挑戦には反対なのだ。

 しかし今回有村がメジャーに勝ったことで「トッププロの仲間入り」したことを認め、世界を目指す娘を黙って見守ることにした、のだという。

“憧れの藍先輩”は、かつてブログにこう書いた。「高校の後輩の活躍が世界に広がるのは、最高ですね! たくさんの経験を積めば積むほど、人は視野が広がり、自分に自信が持てるようになると思います」

 有村には賞金女王として、堂々とアメリカに挑戦してもらいたいものだ。

 
【関連記事】
2012/ 8/ 7 勝率なんと5割! 東名CCに有村が強い理由
2012/ 6/26 智恵ちゃんは何位?「第二回・女子プロ総選挙」
2012/ 1/31 智恵ちゃんをキャディにできる距離測定器

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です