PGAツアーを相手取り82名のプロキャディが集団訴訟を起こし話題になっている。
奇しくもマキロイ裁判の初公判が行われた2月3日、カリフォルニアの裁判所に提出された訴状には、キャディが試合中に着用するビブ(ベスト型のゼッケン)に企業ロゴをつけることでツアーが得ている年間5000万ドル(約60億円)の広告収入の対価を求める内容が書かれていた。
原告となる80人以上のキャディのまとめ役はペイン・スチュアートやグレッグ・ノーマンのキャディを務めたマイク・ヒックス氏。
訴えによるとキャディは本来、自らの契約スポンサーのロゴを着用してツアーを転戦する権利を有していながら、統一ビブをツアーから半ば強制的に着用させられており「ツアーはそれにより莫大な広告収入を得ているのに、図らずも広告塔にされているキャディに(広告収入が)還元されないのはおかしい。経済的損失を補填してほしい」と主張。1億ドル(約120億円)の賠償金を求めている。
問題はいまに始まったことではない。昨年からヒックスを中心としたグループがツアー側にロゴ収入の一部をキャディの健康保健料と年金に当てて欲しいと交渉を続けてきたが決裂。ツアー側は「キャディはあくまでも選手が個人的に雇用するものであり、ツアーが直接雇用する立場ではない」という主張を貫いてきた。
キャディの収入は雇用主=選手の賞金から歩合で払われる。優勝が10パーセント、トップ10で7パーセント、予選通過で5パーセントが相場で、他に週あたりいくばくかの経費をプロが負担。トッププロのバッグを担げば年間数千万円、あるいは億単位を稼ぐキャディもいる一方で「25試合担いで予選突破はゼロ。医療費すら払えない」と嘆くキャディがいるのも現実。大組織に挑むキャディの"銭闘"の行方やいかに?
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