週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/1号
2014/6/24更新

50歳までシード当確!
いぶし銀、手嶋多一の勝負哲学は「淡々と」

 45歳の手嶋多一が日本プロを制した。18年連続でシード権を保持する男の、丈夫で長持ちの秘訣はどこにあるのか?



優勝副賞の"カップヌードル10年分"に泰斗くんは大喜び

 賞金シードの連続記録(永久シード適用年は除く)は、歴代ではジャンボ尾崎の32年(73~04年)という大記録があるが、継続中のものでは手嶋が最長だ。

 しかし、昨年はシード陥落の危機に陥り、賞金ランク70位で何とか踏みとどまった。「最後のカシオは『頑張らないと』と思いましたよ。あそこまで苦しんだのは初めてだったから……」と振り返る。

 長く活躍できる理由を訊ねると──。「強いていえば目立たないこと、低空飛行を続けること。頂点に居続けると継続は難しい。平均的な、自分に負荷をかけないゴルフをする。これが難しいんです」という。

 優勝記者会見でも終始にこやかで、「ホントにこの人が勝ったの?」という印象だった。プレーぶりも淡々で、それでいて決断は早く、テンポは一定。最終日の14番で、難しい4メートルのパットを沈めたときの小さなガッツポーズが唯一の目立ったアクションだった。「喜怒哀楽を出さないようにプレーしています。普段の生活からそうしていないとできないんですよ」と勝負哲学を語る。

 日本アマで6勝した中部銀次郎氏は「起こったことに敏感に反応しない。やわらかくやり過ごす」との名言を遺している。しかし、それは日常生活でできてこそで、コースに出て俄かに実現できることではないという意だが、まさに手嶋がそうだ。家では心を平らにし気を和にして、5歳の長男・泰斗くんと遊び、パンツも洗うイクメンである。

 日本プロの勝利で5年シード権を得て、50歳、23年連続シード保持が確定。「これでシニアツアーまでコツコツやれる下地は出来ました」と、最後のひと言まで堅実な人柄があふれていた。

 
【関連記事】
2013/12/24 若手が躍進その陰で…世代交代の進む男子賞金シード
2013/3/12 選手から猛反発も……男子シード70人制から60人制へ?
2012/12/18 賞金王は中年・藤田だけどシード選手の世代交代進む

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト