週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/11号
2012/9/3更新

高校野球の清々しさでいこうよ、
スロープレーの女子プロさん


イエローが出ていないと競技委員に異議申し立てする川原

 以前からスロープレーが指摘される日本女子ツアー。つい先ごろも問題が起きていた。

 明治カップ最終日。川原由維が15 番でスロープレーによって2罰打を受けたが、アテストの際「イエローカードを出されていない」と主張する(写真)と、競技委員はそれを認め、ペナルティを取り消した。実際、川原にイエローカードは出されていなかった。前半と後半で違う競技委員がついていたため、後半の競技委員は前半の委員がすでにカードを出したと勘違いするミスがあったようだ。ただ川原は、130秒で回らなければいけないパー4を20秒オーバーしており、本人も認めたのだから取り消す必要はなかったのだが……。

 LPGAは選手にプレーファストを働きかけようと、今年の開幕戦から「イエローカード」を導入(それまでは口頭による警告)。しかし選手たちには「イエローカードを出してからペナルティをとる」と口頭で伝えていた。そのため選手のなかには、「イエローカードさえ出なければ、いくら遅くてもペナルティは取られない」と拡大解釈し、自らのスロープレーを開き直る者が現れてしまった。

 今回、競技委員はスロープレーのルールより選手に口頭で伝えたことを優先。この川原の一件で、イエローカードが出されない限り、ペナルティはないという“判例(裁定)”まで作ってしまった。これを改めるかLPGAに聞いてみると、「検討はしていますが、変更するのは早くても来年です。決まったルールはすぐ変えられないので……」と歯切れが悪い。ならば「イエローカードを出さなくても、ルール上のスロープレーは即ペナルティというローカルルールにしては」と水を向けたが「その予定もありません」とのこと。

 もちろん、女子プロの全員がスロープレーヤーではない。たとえば服部真夕や森田理香子ら“チーム岡本”の面々は「ライン読むなら空気読め」という岡本綾子の教えを守り、清々しくプレーファストを実践。今季大活躍している。

 自分本位なスロープレーは観客を白けさせ、ジュニアを含めたアマチュアへの悪影響もある。協会もプレーの遅い選手も、イエローカード制度やスロープレーについてもう一度、思いを新たにしてほしいものだ。

 
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