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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/18号
2008/11/7更新
またぞろ増加のゴルフ場ロッカー荒らし
対策講じるゴルフ場の新アイデア

 ゴルフ場の貴重品ロッカー荒らしやゴルフクラブの盗難が最近になって再び増え始めている。この種の犯罪はかつて頻発したが、メディアに取り上げられ話題になったところで、ゴルファーの注意も喚起され、結果件数は激減した。ところが、“のど元過ぎれば”で、気がゆるんだのだろう、また良からぬ連中がムクムクとうごめき始めていた。


つけ入る隙はない!? 最新のセキュリティシステムを採用した麻倉GC

 千葉県ゴルフ団体総合事務所では県下のゴルフ場で発生した盗難事故の件数を調べている。その件数は、2004年が7件、2005年1件、2006年5件、2007年2件といずれも1ケタ台だったのが、今年は9月までに10件。うち6件はこの9月に報告されている。なかには1件の被害額が100万円を超えた事件もある。

 同事務所によれば、貴重品ロッカー荒らしは、一時はテンキーのカバーの裏側に小型カメラを貼り付けて、暗証番号を盗み出すという手が横行し、話題になった。そのため各ゴルフ場で対策がとられたことでこの手の犯罪は減ったが、代わって次にクラブの盗難が増えた。

 ハーフターンの休憩時、皆の目がカートから離れたところで、高額で売れるクラブを抜き取る、あるいはバッグごと持ち去る手口だ。

 それも防がれるようになったところで、コース側もゴルファーも気がゆるんだのだろうか。「ロッカー荒らしは最新の生体認証式ではなく、旧式の貴重品ロッカーで起きているようです。買い換えるといっても、安いものではありませんからね」と同事務所。

 実際、この8月には千葉県ではないが、群馬県の太田双葉CCでカメラを貼り付けたと思われる手口で、4人のロッカーから現金が盗まれ、キャッシュカードを使われ計70万円余の被害に遭う事件が起こった。

 そこで同事務所では、ゴルフ場には、貴重品ロッカーが常にフロントから目が届くよう―フロント前に人垣ができないよう―受付が一列になるためのローピングを勧めている。

 しかし、最近は偽名で予約を取り、最新のレンタルクラブを一式セットで借りたうえで、コースの途中、公道に近いホールで仲間の待つ車でバッグごとドロンするという新手の盗難も現れるようになった。

 もともとゴルフ場は窃盗犯でも入り込みやすいのだが、例えば名門クラブで富裕層の多い戸塚CC(神奈川県)は、練習場だけの利用の場合、クラブハウスで受付する必要がない。それゆえ練習場に直行する振りをして、コースやハウスに入り込めるというオープンな仕組みになっている。

「それだけに、社員には徹底した防犯意識を持ってもらうようにしています」(産形靖彦総支配人)。そのうえで、ハウスの入り口を一か所に絞り、そこに警備員を配置。貴重品ロッカーは最新の静脈認証式に換え、フロントから目の届かないバッグ置場には一部でカギを掛けられるようにするなど、ハード面の防犯対策もとっている。こうしたことで「あそこは防犯体制がしっかりしていると思われれば、それが抑止力になると思います」と産形氏。

 また、先月25日に正式オープンした麻倉GC(千葉県)では、ロッカールームは最新のICカード付きのスコアカードホルダーを持たなければ入室できない。浴室の脱衣所はすべてカギのかかるロッカーにするといった、高いセキュリティのシステムを採用している。

 それでも、一番の犯罪抑止力は「ゴルファー全体が、マナーに厳しい姿勢を持ってもらうことで、コース全体に良からぬ連中が入りこむ隙を与えない雰囲気づくりを作ることでは」と先の千葉県ゴルフ団体総合事務所では示唆する。

 結局は、ゴルファー一人一人の心構えで防ぐしかないということなのだろう。

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