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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/23号
2008/9/11更新
日本のLPGAも外国人差別か?
QTルールテストで韓国の通訳認めず

 海の向こう、米LPGAでは一旦発表された、外国人選手に対する英会話テストの実施を撤回するなど混乱が続いている。そんななか、今度はJ(日本)LPGAもQT合格者を対象とするルールテストで、「今年からは通訳抜きで日本語か英語で筆記試験を受けなければならない」との方針を決めていたことが判明、韓国マスコミの間で「日本よ、お前もか」と反発が広がっている。

 JLPGA会員は834人。そのうち韓国人会員20人、台湾人会員15人、非会員を含めると日本ツアーのインターナショナル会員は現在51人だ。

 JLPGAがKLPGA(韓国女子プロ協会)に「今年からルールテストでは通訳禁止」方針を伝えたのが春先のこと。これを受けたKLPGAは、これを公表すると竹島(独島)問題のさなかということもあり韓国マスコミが騒ぐ可能性があったためか、QTを受験する選手にだけ通告したという事情があった。

 YTN(韓国連合通信テレビ)記者は言う。「日本語か英語ができなければ日本ツアーに参加できないというのは米ツアーの英会話テストよりも外人締め出しを狙った厳しい差別です。米国の場合には入会後2年間の猶予を与えてくれていますから日本と比べてフェアと言えます」

 昨年まで、第2次QT通過の選手に対するルールテストの際には通訳帯同が許されていた。外国人選手が同じ部屋でテストを受けるので韓国語や中国語、英語などが入り混じってかなりの騒音が小さな部屋に充満する例が多い。

 騒音に紛れて通訳が選手に正解を教えることも可能だった。しかも事前にルール問題集が配られていることもあり、実際には多くの選手は満点合格できるテストだ。

 JLPGA事務局の高須皓友TPDエグゼクティブディレクターが説明する。

「今回の措置は何も韓国人や台湾人選手を締め出すのが目的ではありません。あくまでも外国人選手は、日本でもプレーするには是非とも日本語を覚えてほしいという希望がこういう形になったのです。せっかく優勝してファンやスポンサーに対する感謝の気持ちを表現したいなら、ちゃんとした通訳を帯同するか、選手自身が日本語を習得して自分の責任でスピーチすべきという意見が多かったのです」

 とはいえ、英語が許されているのはおかしくはないか。スピーチなどで、なぜ英語が許されているのかきちんとした説明が必要だ。これはアジアの選手に対する差別でもあり、締め出しが目的と思われても仕方ない。

 今年日本ツアーに挑戦する予定だったアン・ソンジュ(安宣柱・昨年韓国賞金ランク3位)は「日本語ができないので諦めました。その代わり米ツアーに行くつもりです。英会話テストまで2年間あるので、その間一生懸命勉強しますよ」と日本ツアーを断念したケースもある。

 しかし、JLPGAによると、昨年1次QTから受験した韓国人選手は7人だが、今年は8人に増えているという。

 韓国ゴルフ関係者によると、現在米ツアー参加中のキム・ミヒョンやジャン・ジョンなども近い将来、日本ツアーを視野に入れているとの情報もある。彼女らが来た場合もQTを受験しなければならないが、英語が喋れるのだから合格は確実だ。

 米ツアーを席巻する韓国選手たちが大挙して日本に殺到すれば、そのほうがよほど日本ツアーにとって脅威になるかもしれない。

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