> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/25号
2007/12/13更新
トヨタ、キヤノン、松下電器など超大手が新規参入。
2008年男子ツアー日程発表

 国内男子ツアーの2008年スケジュールが発表された。それによれば来季試合数は今季比4増3減で、わずか1試合だが8年ぶりに増加の全35試合。また、高額賞金大会の新設が相次いだことで、ツアー賞金総額は今季より4億3000万円ほど増の34億7000万円となった。しかし、今回増大をもたらした新設大会には、スポンサー企業の国際的な戦略が見え隠れする。


★2008年度新規開催

 まずは長らく続いたツアーの縮小傾向にようやく歯止めがかかり、選手会、日本ゴルフツアー機構(JGTO)はじめ、ツアー関係者は、ホッとひと息といったところだろう。

 新規開催が一気に4試合も出現した背景には、やはり“遼くん効果”が? と勘ぐりたくなるのだが、その点についてJGTOの山中博史専務理事代行は、

「(スポンサー企業に対する好影響が)直接的にもあったでしょうし、メディアの扱いが大きくなったことも(費用対効果の面で)大きく影響したと思います」

 と語る。

 天候等の要因もあって単純には比較できないが、石川遼が活躍したトーナメントは総じてギャラリー数が大幅にアップした。

 ちなみに最終戦の日本シリーズは、4日間合計で昨年より約6000人増の約2万人となった。

 しかも、その人気に衰えは見られないのだから、イベント、あるいはメディアソフトとしてのトーナメントの価値は、より高まっていることだろう。

 それにしても、新規大会で目を引くのが、パナソニック(松下電器産業)、キヤノン、レクサス(トヨタ)と、日本を代表する大企業がスポンサーに名を連ねたことだ。

 このうちパナソニックが冠となる大会は、かつてのダンロップ国際(のちのキリンオープン)と同じく、日本ゴルフ協会とアジア太平洋地区の29カ国(地域)のゴルフ協会が加盟するアジア太平洋ゴルフ連盟が松下電器産業と共催する公式戦。

 先月発表されたアジアンツアーの08年スケジュールには記載されていないが、「いずれアジアンツアーに組み込まれるでしょう」と山中氏は見通す。

 そのアジアンツアーと中国ゴルフ協会、そしてJGTOの共催で行われるのがパインバレー北京オープン。

 男子ツアーでは初の国外開催試合となる。

 ただし、賞金総額は国内ツアーと同程度の100万ドル(約1億1000万円)。しかも日本プロの前週、連戦が続くなかでの開催。

 JGTOの出場選手枠は少なくとも60人を予定しているそうだが、果たしてどれほどの顔ぶれが海を渡るだろうか。

「選手には、今後は環太平洋でプレーしていかなければ……、と伝えています」と、有力選手の出場を強く促したいと語る山中氏は、また「アジアンツアーが欧州ツアーとの提携を強めているなか、JGTOも環太平洋(を視野に入れたツアーを構築していく方向)でやっていかなければと思っています」として、海外ツアーとの共催競技が近くさらに誕生することを匂わせた。

 アジアンツアーとの連携は、何もJGTOの求めによるものではない。

 スポンサー企業、特に新規参入企業からは、「アジア戦略の一環」という大きなビジョンを感じ取っているという。

 もっとも、松下電器産業にスポンサードの主旨を確認しても、「開催コースの地元地域に対する社会的貢献、アジア地区のプロゴルフ振興への貢献、それとグローバルな企業イメージの発信」との答え。

 同じくキヤノンも、その目的を「プロゴルフ界の活性化と発展に貢献することと、企業ブランドの向上」にあると語るのみ。

 しかし、(トヨタも含め)いずれもブランドイメージの向上とかグローバルな発信というのでは、“今さら感”が拭えない。

 そうした目的のためだけに男子ツアーに参入するのだろうか。

 やはり急成長するアジアのマーケットを視野に入れた参入なのでは……?

 とすれば、反対に今回撤退した3社のうち2社が仙台放送と広島テレビ放送という、きわめてドメスティック(国内的)な企業だったことと一対に、ツアー新時代の到来を象徴する動きなのかもしれない。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です