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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/24号
2007/7/12更新
遼くん、まさかの日本アマ予選落ち
目論み外れた関係者は大慌て

 まさかの遼くん予選落ちに右往左往する大人たち----15歳で史上最年少ツアー優勝を飾った天才少年、石川遼効果で、前代未聞の注目を浴びた日本アマは、意外な結末にあちこちで慌てる大人たちの姿が目立った。


予選落ちしたが得るものはいっぱいあった

 92年の歴史の中で初めて地上波で中継され、大ギャラリーが訪れたアマ日本一決定戦は、いつもとはまったく違うムードの中で開幕。その台風の目となった石川遼は、初日こそ首位に4打差の8位タイと好スタートしたものの、2日目は天国から地獄へと突き落とされた。雨の中、攻めのゴルフが裏目に出てOBも飛び出す79の大叩きで姿を消した。ホールアウト後にロッカールームで号泣し、この日は石川遼からトレードマークの笑顔が消えた。

 と、ここまでは一般的?な話。この舞台を整えるために、大人たちは裏で必死に働いていた。34人の警備員に20人のギャラリー整理を用意(この数は3日目以降、急遽それぞれ11人、6人に縮小された)。アマの試合とは思えない態勢で万全を期し、さらにプロでも数少ない初日から中継したフジテレビの放映権料は経費込みで1000万円と推定されている。

 大会はストロークプレーだけではなくマッチプレーで決着がつくだけに、広告関係者の証言によれば、同局がかけた経費は約1億円といわれている。

 これが高かったのか、安かったのかについては、すぐに結論の出る話ではないが「3年契約などの形でJGA(日本ゴルフ協会)がもっとうまくやればよかったのに」という声もある。

 確かに、石川遼の出現は、閑古鳥のなく日本の男子ゴルフ界にとって千載一遇のビッグチャンス。石川遼を大切に育てる一方で、これを生かすのが大人たちの大切な仕事というわけだ。

 アマの選手をこれほど目の当たりにすることはそう多くない。地上波中継されたことで、ジュニアの台頭を実感し、数年前とは大きく様変わりした日本アマを目の当たりにし、難コースをものともしない若者たちのプレーに目を引かれたファンや関係者は多かったはずだ。

 平日の午後という放送時間帯で2日目は視聴率5パーセント、瞬間最高は7パーセント(関東エリア)を記録。いつもはゴルフ中継を見ない人々の目にも、石川遼だけでなくトップアマたちの姿は焼きついたに違いない。オバサマたちは遼くんだけでないイケメンたちに心を躍らせる。新たなファン層を開拓したのは確実だ。

 予選落ちした翌日も石川遼はコースへやってきた。兄のように慕う同じ杉並学院高の先輩、薗田峻輔がマッチプレーで戦う姿を見て“復習”。自分の課題をしっかりと胸に刻んだ。

 それだけではない。メディアはメディアで、ロープの外の“素の石川遼”からたっぷり話を聞く機会が得られ、そういう意味では不幸中の幸いでもあった。予選落ちしたとはいえ、3日目以降もギャラリーは約500人(3日目)、4日目460人と入り、関係者はひと安心。

 石川遼自身、テレビのインタビューにも応えて、十分使命は果たした。次の舞台は今月17日からの世界ジュニアとなる。

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