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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/18号
2006/4/5更新
所ジョージがクラブデザイナーとしてデビュー
北野たけしの一言から生まれた「異色」アイアン

 ひょうたんからコマではなく『たけしからクラブ!?』。コメディアン、映画監督、芸術家など様々な顔を持つビートたけし(北野たけし)の一言が、異色のアイアン『TXT(ティー・バイ・ティー)パラレルハンマーアイアン』を作り上げた。

 同じテレビ番組に出演し、ゴルフの仲間でもある所ジョージに「パターの延長でアイアンができないのかな? シャフトをトップブレードに対してスクェアに差した形のクラブがあればなあ」と、口にした。

「『それじゃロフトがなくなっちゃう』とは言えずに、1週間ずっと考えた」と、所は『無理な提案』に頭を悩ませた。

 その結果、「リーディングエッジを前に出しちゃおう」と、決断。デザインを描き上げたあと、ボール紙と棒で『試作品』を製作した。これが商品化へと結びつき、その第1歩として9I(ロフト40度)だけの発売にこぎつけた。

 ベースとなる発想は、構えやすさ、打ちやすさを追求した挙句の『ハンマー理論』。「ハンマーで釘を打つように打て」というレッスンにヒントを得て、「ハンマーみたいな形ならいいのでは」と、かなり特異なデザインのアイアンにたどり着いた。

 基本的にクラブ規則は遵守しているが「『クラブは伝統と習慣に大幅に反する形状と構造のものであってはならない』(付属規則Ⅱクラブのデザイン 1クラブa通則))にひっかかるかどうかだけは、何とも言えません」と苦笑するのは、製作を担当したマルマンの大隈宏昭社長。

「理論はいいから、とにかく作ってください。そうすれば北野たけしは納得しますから」(所)と、それだけを目標にして試作を始めたが、やりだしてみると、案外理にかなった点が多かったようだ。

「これでゴルフが注目されればいいですね。我々が独自に研究開発している部分と、実は接点が多かった」(大隅社長)

「100パーセント私が考えた」(所)というそのクラブは、スクェアな形のフェース面が、シャフトより前に飛びだした設計になっている。そのため、ターゲットに対してスクェアに構えるのがきわめてやさしいのが特長だ。

 また、通常のフェースではスウィートスポットで球をとらえないと出球に影響がでるが、この形状だと、左右のスピン回転が減るため、曲がりにくく、しかも球を捕まえやすいのだという。

 横から釘を打つように振れば、ヒールに近い部分に当たってもシャンクしにくい形状のため「プレッシャーがかかった時の寄せでダフらない」と、スコアメイクへの工夫がなされている。

 シャフトはダイナミックゴールドで、当面は9Iのみ。初回2000本の販売予定となっている。

 価格は税込みで2万6040円とアイアン1本にしては割高感があるが「パターだと思えば安いでしょう」と所は強気。当面はネットでの販売となる。

 女子プロ人気でこれまでとは違う層に底辺を拡大しつつあるゴルフ。そんな中、『狂』のつくゴルフ好きが多いことでも知られる芸能界の中でも、所は「理論派」として知られる。

 ハンディキャップこそ取ったことはないが、ゴルフ歴は30年に及び「一時は毎日のようにやっていた。パープレーは何度も」というだけに、初心者にもやさしいという触れ込みのクラブが、業界に新風を吹き込むことになるかも。

「ハンマーで釘を打つように打てっていうから、そこから考えた」というこの新型アイアンが、どこまで広がるのか。ゴルフの底辺拡大を占う意味でも、このクラブには注目が集まる。

 マルマンといえば、今年になって福嶋晃子と再契約を結び、坂田信弘も広告塔として知られている。今後、こうした契約プロたちが使うことがあるのだろうか。

 クラブデザイナーとしてデビューした所は、その点について、「これから、みんなの意見をぜひ聞いてみたい。このクラブにどんな悪口が言えるのかなあ」と、自信たっぷり。

 宮里藍や横峯さくらと回って「プロがどう使うのか」見てみたいと希望する所。「異色のクラブデザイナー」の登場で、底冷え気味のクラブ業界に、ひとつホットな話題が提供された。

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