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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/14号
2006/3/2更新
「シニアの王者」アーウィンもびっくり!
開幕3連勝したローレン・ロバーツの実力

 ローレン・ロバーツ(50)が、米シニア・チャンピオンズツアーに名を残した。開幕戦のマスターカード選手権に始まり、タートルベイ選手権、そしてエースグループ・クラッシックと、開幕から3連勝という史上初の記録を達成した。

「ゴルフ史上のどこかに、小さくても自分の名前を残したかった。最終日のバック9では、少し意識していたよ」とロバーツ本人は語っていたが、開幕からの3連勝というのは、前人未到の快挙だ。

 開幕2連勝というのは、これまでにドン・ジャニュアリーとラリー・ネルソンが、それぞれ81年と01年に達成しているが、3連勝となるとPGAツアーにも記録がない。

 シーズン半ばであれば、4試合連続優勝という記録を87年にチチ・ロドリゲスが達成しており、3連勝はボブ・チャールズ(87年)、リー・トレビノ(92年)、ギル・モーガン(04年)の3人が行っているが、それでもシニア史上でわずか4名しか達成していない。

 米シニアツアーでは、90年代までは、年間の勝利数が9勝や7勝といったプレーヤーが多く出ていた。しかしここ5年間では、一人の選手が10勝近く挙げることはなくなってきている。

 例えばシニアツアー最多の優勝数を誇るヘール・アーウィンを例にとると、01年が5勝、02年が4勝、03年3勝、04年5勝、そして昨年の05年が4勝といったところ。つまりプレーヤーたちの実力が拮抗し、かつてのように大きな開きがなくなっているわけだ。

 年間4~5勝すれば最多勝利の栄冠を獲得できる現状にあって、すでに開幕3戦で3勝したとなれば、もう今年の米シニアツアーはロバーツのもの、と言っても過言ではないだろう。

 しかし、ロバーツはこの記録を楽々と達成したわけではない。

「3つの勝利はそれぞれ違った形での栄冠だったが、エースグループ・クラシックは、間違いなくもっとも悪いショットを打って勝ったものだ。でも、何とか必要な時にパットが決まって、勝利をものにすることができた。最終日は、特にドライバーに苦労した」と言う。

 最後日のバック9では、記録を意識したせいかショットが曲がり、例えば17番ホールでバンカーの淵から難しいセカンドショットを打ったりと、少なからずピンチという場面があった。

 しかもこの大会で3勝目を狙うヘール・アーウィンが、最終日の15番ホールでロバーツに追いつき、タイスコアとなっていた。しかし、そのアーウィンが最終18番のセカンドでまさかの池ポチャ。ある意味では、他人のミスに救われての勝利だったともいえるのだ。

 シーズンの初めの試合なので、まだ調整が完璧でないプレーヤーが多いのは確かだが、この時期にいいコンディションに調整してきたロバーツを誉めるべきだろう。しかも初戦のマスターカード選手権は、基本的には昨年の優勝者しか出場ができない大きな大会だった。

 また3戦目のエースグループ・クラシックはフロリダで開催されたが、前週のハワイから移動するのを体力的にためらうプロも多かった。

 つまり、開幕3戦全勝という記録は、数字で見るより大変な記録で、当分破られそうもないだろう。

 昨年6月に50歳になり、翌7月にシニアデビューを果たしたロバーツだが、昨年は6戦して1勝。

 プロの間ではパッティングの上手さから、「苔のボス」といった異名をとるロバーツだけに、ショットに関しては誰もが本調子ではないこの時期、一人、パットでスコアを稼ぎ出したと言えるのかもしれない。

 倉本昌弘や尾崎直道といった日本人の「米シニアルーキー」たちにとって、強力な「若手ライバル」が先に出現してしまったようだ。

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