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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/25号
2005/10/20更新
営業停止中の湯ヶ嶋高原Cにオープンの目途
旧会員に残ったのは「譲渡不可」のプレー権

 再生計画決定後、スポンサーに逃げられ、破産、営業停止に追い込まれていた湯ヶ嶋高原倶楽部の譲渡先が、大証ヘラクレス上場のファンド運営会社・アセット・マネジャーズに決まり、来春リニュ-アルオープンする。


来春リニューアルする湯ヶ嶋高原C

 かつての平和相互銀行から多額の融資を引き出すなど、いわゆる『平相四天王』と呼ばれた次郎丸嘉介氏率いるオービスグループの系列コースだった湯ヶ嶋高原倶楽部が、民事再生手続きの開始を申し立てたのは昨年3月24日。

 フランスの投資会社であるエルメス・キャピタル・パートナーズ社、運営はCCAインターナショナル、配当率0.3パーセントという再生計画案が、申立から半年で可決しながら、いざ資金の払い込みの段階になったらエルメス社と連絡がとれなくなった。

 そのため、今年5月、再生手続きは廃止、あえなく破産。運転資金も底を突いたことから、コースも閉鎖に追い込まれ、施設を管理する保全管理人弁護士が、何とかメンテナンスだけは継続する事態になった。

 さらに、「債権者の大多数を占める会員の意向を確認しないまま、破産の決定を下すのは暴挙」だとして、ある会員が破産決定に異議を唱える『即時抗告』を申立てたが、棄却されるという一幕もあった。

 しかし7月下旬にコースの譲渡先が、アセット・マネジャーズに決定、8月11日の譲渡契約締結を受け、9月から同社がコースメンテナンスを開始したが、

「芝がかなり痛んでいることもあり、これからカート路やホテルの内装など、必要な改修をすると、どんなに早くてもオフシーズンに入ってしまう。それなら急がずきちんとやって来春からオープンとした方が得策」(同社広報)と判断した様だ。

 アセット・マネジャーズは、不動産ファンドを組成し、投資対象となる物件を確保したり、ファンドマネージャーをスカウトするなどのアレンジを行い、投資家を募り、ファンドを運営することで得る手数料収入と、自らもファンドの投資家として、一部自己の資金をファンドに投資して得る配当収入が売上の大半を占める企業だ。

 最近では不良債権に投資するファンドや、上場会社に投資するファンド、株式公開を目指す未公開企業に投資するファンド、そして事業再生ファンドなど、不動産ファンド以外のファンド運営も手掛けており、今回の湯ヶ嶋高原倶楽部への投資は、この事業再生ファンドを通じて行う。

 買取金額がいくらだったのかは非公開だが、資金はアセット・マネジャーズ自身の資金プラス他の投資家の資金というわけだ。 

事業再生ファンドとしては、既に量販店のキムラヤの他、京都のホテル、大阪のスイミングスクールなどに資金を投下しているが、この通り業種はバラバラ。

「その都度実務家をスカウトすることもファンド組成業務の一部」(同社)なので、今回も実績のある支配人をスカウトした模様だが、「実名公開はもう暫く待ってほしい」(同社)という。

 会員の扱いについては、破産で譲渡を受けたので当然預託金は引き継がないが、「譲渡不可のプレー会員権を考えている。普通なら付けない、一代限りの相続を認めることも検討中」(同社)という。

ところで、同社にとってゴルフ場の買収は今回が初だが、今後買収戦線への参加に名乗りを挙げるのだろうか。

「この1コースだけの再生で投資を回収出来るとは思っていないので、良い話があれば買っていきたい」(同社)というから、新たな国内勢がまた1社、買収戦線に参戦したと言えるだろう。

 最近では買収後のコース運営の方針にも厳しい評価の目が下される傾向にあり、同社の経営手腕がゴルファーたちからどう評価されるのか、注目される。

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