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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/5
2005/6/30更新
日本のトーナメントを席捲する韓流パワー
以外なことに本国では今年が「ツアー元年」

 このところ国内男子ツアーで韓国選手の活躍が目覚しい。昨年1年間と今シーズン途中のJCB仙台までにS・K・ホが4勝を挙げたのを筆頭にY・E・ヤンが2勝、キム・ジョンドク1勝、さらに予選会30位の資格で参戦しているイージー・ジャンが三菱ダイヤモンドで初優勝。めっきり影を潜めてしまった台湾勢を遥かに凌ぐ勢いだ。

 古くはク・オッキ、最近ではパク・セリ、グレース・パーク、キム・ミヒョン、ミッシェル・ウィとアメリカで活躍する韓国女性は枚挙に暇がない。一方、男子となるとチェ・キョンジュとせいぜい若手のケビン・ナの名前が浮かぶぐらい。

 しかし日本の男子ツアーでは前述したように昨年から今年にかけて36試合のうち韓国の4選手が合計8勝も挙げている。台頭著しい韓国の男子プロだが、実は本国では今年が「韓国ツアー元年」ともいうべき転換期を迎えている。

 これまで韓国の男子トーナメントはKPGA(韓国プロゴルフ協会)、KGA(韓国ゴルフ協会)、それにアジアンツアーがそれぞれに並立する形で行われてきた。KPGAがその3ツアーの賞金を合算して賞金ランクとしていたが、統一したツアーの形にはなっていなかったのが昨年までの実情だった。

 それをテレビ局のSBSが冠スポンサーとなり、今シーズンぁら3つを統合する形で「SBSコリアンツアー」としてスタートしたのだ。

 韓国のトーナメントは98年のパク・セリ人気で女子が一時盛り上がりを見せたものの、アメリカへ人気選手が流出し、女子ブームも尻すぼみ。SBSでは地上波の放送の他にCSもあり、スポーツ、エンターテイメント、ゴルフの3つの専門チャンネルを持っていて、ゴルフはもっぱらアメリカから放映権を買っていた。

 それを国内のコンテンツで賄おうというのが、今回、男子ツアーの冠スポンサーとなった狙いのようだ。

 今年の韓国ツアーは4月初旬から始まり、10月末までに18試合が予定されている。賞金は最高で総額約6000万円のものもあるが、ほとんどが総額約3000万円程度で年間規模は5億円ほど。

 日本のチャレンジツアーに相当する賞金総額約600万円の2日間競技「KBSスカイツアー」という2部ツアー(参加は韓国人選手のみ)も10試合あり、さらにアシスタントを対象にした賞金総額約200万円の1日競技「チャレンジツアー」も20試合ある。

 この1部、2部、3部ツアーがピラミッド型の一貫した組織となっているというから、これが有効に機能すれば、将来的に苦手のステップアップに大きな力を発揮するようになるだろう。

 韓国のプロテストは4月と7月の年に2回のチャンスがある。130人ほどの受験者が2日間の決勝で20位以内に入ると合格というシステムだ。現在男子プロは800人ほど。さらに試合に出るためには、日本のQTに当たる11月に行われるシード戦という予選会を通過しなければならない。200人中60位以内に入ると、晴れて翌年のツアーメンバーになれる。

 しかし、韓国から日本ツアーに参戦している選手が口を揃えるのは、韓国ツアーのセッティングの甘さ。「韓国で試合に相応しいと思えるセッティングをしているのは年間に3、4試合。あとは一般のお客さんが多いのでラフも浅いし、グリーンも遅い。海外で通用する選手はなかなか育ちません」と手厳しい意見を言う選手もいる。

 日本のQT挑戦4回目でチャンスを掴んだイージー・ジャンは「日本の試合環境が良いので自分のゴルフも良くなったと思います」と話す。

ソフトに比べて、ハードが追いつかないというのが現状のよう。両方が揃ったとき、日本ツアーにさらなる強敵を生み出してくるのか。

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