週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

変わらなくっちゃ！

------8年ぶりのツアー4勝目。勝てない間は苦しかった？

「苦しかった。勝ちたいけど勝てない。しかも毎年、賞金ランク上位にも入れず寂しかった」

------今季から井上透コーチと契約してスウィング改造に踏み切ったきっかけは？

「やっぱり、去年（自分と仲のいい）（丸山）大輔とヒロ（宮瀬博文）、室田（淳）さんの3人が、賞金ランク上位で8、9、10位と3人並んだでしょ。あれが大きい刺激になりました」

------そこまではいろいろ悩んだ？

「成績は鳴かず飛ばずが続き、好不調の波が激しかった。それで、根本的に何かを変えないとダメだな、自分が変わらなきゃ、という気持ちが強くなって、見てもらうことにした」

------そのメリットは？

「自分では感覚でいろいろなとこをいじっちゃうので、1試合はもっても続かない。人に見てもらうことによって1年間確実に課題を出してもらえること」

------以前ほどゆっくりスウィングではないようだが、自分の意思で変えた？

「そうじゃなくて、井上君に自分のスウィングを見てもらって『好きにして』と（笑）」

------具体的には？

「下半身。体重移動しながら回転するっていうイメージ。自分では以前より体をスウェイさせながら打っているような感じ」

------ショットを安定させる？

「むしろ、ミスを少なくする」

------改造には勇気が必要だったのでは？

「うーん（改造して）ダメだったらどうしよう、とかっていう不安感は持たなかったんだよね。ということは、自分でもどこかで、このままじゃダメだと思ってたんだろうな」

------ショートゲームをたくさん練習したとか？

「別にそっちを磨いたわけじゃなく、スウィング作りにつながるものとしてやった」

------昨年からパターも長尺に。

「長尺ってのは前は全然、眼中になかった。遊びで握ってみてもうまく振れないし……。ところが去年のマンシングKSBで兼本（貴司）くんと一緒に回って（長尺を使っていた）パッティングの好調ぶりを見た。それで、終わった後、練習グリーンでご教授頂き『あ！ これもアリだぞ。打てるじゃん』と使い始めたらよかった」

------腰痛やイップスじゃなく？

「それよりも、今の時代にあるいろいろな道具のひとつととらえている。それでよくなればいいんじゃないかって。1年以上長尺を使ったけど、普通のパターと同じように試行錯誤は続いている。たとえば兼本君には、彼の打ち方があって、それなりのものをすでに持ってるけど、俺はまだそこまで行っていない。俺なりの打ち方を一生懸命探しているというところ。でも、サントリーの木曜日だったかな、ひとつのヒントを得て、考えることが減り、精神的にものすごく楽になったのは大きかった。何かって？ 言えないけど」

------優勝を支えてくれた哲弘君にとっては、初めて記憶に残るものになったが。

「うん。帰ってからもずっとはしゃいでた。まだまだ遊びだけど（ハーフ）50～60台では回ってくるからね。小さいときからずっと見てるからゴルフに対しては興味津々で、『プロゴルファーになるんだ！』って言ってやってるから」

------将来が楽しみ？

「イヤー、俺は自分が叩き上げだから、やるんだったら自分で苦労しな、って感じだな。今もスポーツクラブでやらせてて、あまり何も言わないし、ガチガチじゃないよ」

------せっかく目の前で勝ったんだからもっと勝って見せたい？

「うん。早くもう1勝したいね。生意気かもしれないけど、ここ何カ月かずっと上位にいられたし、気持ちの上では、今回ものすごくショットの内容がよくて優勝したとかじゃないんだ。そりゃ勝ちに行って勝てたのは大きいけど、いつもと同じようにできて勝てたのが一番大きい。だから今後は自分にとっても楽しみなんだ」