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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/30号
2003年更新
キャロウェイが競売でトップフライト落札
米国ではボール部門でシェア・ナンバー2に
 キャロウェイゴルフ社によるトップフライト社の買収がほぼ確定した。買収金額は1億7400万ドルで、今月の中旬から下旬に買収が完了する模様だ。

 トップフライトが米連邦破産法11条に基づき、日本で言う民事再生手続きを申請、ゴルフ用品関連の全資産をキャロウェイに売却すると発表したのは約2カ月前のこと。ところが、その後、事はスンナリと進まなかった。トップフライトが裁判所に申請した時点で、同社の運営管理は管財人の手に移り、勝手に資産を売却できなくなったわけで、トップフライトの経営陣には、自分たちで会社を売却する権利がなかったからだ。

 結局9月3日、トップフライトは裁判所管理の下、競売に掛けられ、米ゴルフウィーク誌によれば、キャロウェイ同様、ボール部門を強化したいアディダス・サロモンAG社(テーラーメイド)との15時間にもわたる壮絶な競売合戦に勝ち、キャロウェイが、買収の権利を獲得したということなのだ。

 そのため値が競り上がり、当初キャロウェイが発表した1億2500万ドルの買収予定額を、日本円にして60億円近くも上回る買い物となった。

 キャロウェイの発表では、今回の買収は1億7400万ドルの現金に加え、トップフライトの残りの負債と一定の営業債務を引き受けることになっているが、「債務の数字は法律上発表できないが、大きな金額ではない。数億ドルの巨額の負債については、トップフライトが民事再生した段階で清算されている」(L・ドーマン、キャロウェイ副社長)とし、当初の買収予定金額よりは高くついたものの、それでも大バーゲンともいえる“お得”な買い物だったようだ。

 そのうえトップフライトには、1億ドルの運営資本(在庫および売掛金)と4400万ドルもの固定資産がある。さらにトップフライトは、数々のゴルフボールの特許権を所有しているうえ「我々の持っていない分野(ベン・ホーガンのようなトップアマを対象としたラインや、トップフライトのような廉価クラブ)と(販売)チャンネルへのアクセスが向上する」(R・ドラポー、キャロウェイ社長)といったおまけ付き。

 一時は、ベン・ホーガン・ブランドに関しては、別個に競売にかけられるのではといった噂もあったが、結局キャロウェイが、競売に対する準備を短期間でできなかった他社を尻目に、バーゲン価格で落札したという見方が強いのだ。

 今回の買収の影響としては、何よりもキャロウェイが「ボール事業における収益力の問題を解消できる」(ドラポー社長)可能性があることで、同社の米国における市場シェアも30パーセント前後になる見込みで、タイトリストと拮抗する力を持つポテンシャルがあることだ。

 また、ツアープロとの契約の行方も気になるが、レギュラーツアーでは、J・フューリック、J・ローズ、B・ランガー、H・サットン、シニアではL・トレビノら計43人の選手との契約は引き継ぐ方針だ。

 キャロウェイとしては随分おいしい買い物だったようだが、おいしいと言えば、前出の米ゴルフウィーク誌によれば、旧トップフライトのCEOのJ・クレイギー氏は、2億円を超えるボーナスと退職金を手にして辞めたとか。会社を潰し、身売りしてこんな大金を手にし、後々批判の声が出る可能性もある。

 日本では、トップフライトと言うと、昔ながらのブランドというイメージが強いが、米国ではボールメーカーとしてはNO.2のブランド。“キャロウェイのトップフライト”となり、国内でどれくらいシェアを伸ばせるも見物だ。

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