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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/5号
2003年更新
意外や意外! 米国で今一番売れている
ドライバー、FWはともにキングコブラSS
 全米で一番売れているドライバーが、キングコブラSSだといったら、驚く読者も多いのでは。しかも、タイガー・ウッズのデビュー以後にゴルフを始めた方は、コブラという名前すら知らない人もいるかもしれない。

 実は、先頃発表された、米ゴルフデータテック社の調べによれば、今年5月の米国におけるモデル別の売り上げ調査で、ドライバーでは、キングコブラSSが、キャロウェイのグレート・ビックバーサii、テーラーメイドのR500シリーズを抜いて、売り上げナンバー1に輝いたのだ。そして、フェアウェイウッドでも、やはりキングコブラSSが、キャロウェイのスティールへッドiiiと並んで、そしてグレート・ビックバーサiiを凌いで、トップタイに立ち、ウッド部門を独占している。

 コブラといえば、もともとはG・ノーマンが、オーナーのひとりとして、90年代の前半に注目されたクラブメーカー。一時、ウッド部門ではキャロウェイ、テーラーメイドと肩を並べる会社だったが、96年にタイトリストに買収(現在はともにアクシネットグループ傘下)されてからは、売り上げも人気も下火になっていた。ある意味では、タイガーのデビューと重なり、そのタイガーが、タイトリストのクラブを使用したことから、同社のセカンドブランドの地位に甘んじることになってしまっていたともいえる。

 そのコブラが、ここに来て復活してきたというわけだが、理由はなんと言っても、「クラブの性能にある。私がコブラに来たのは01年だが、SSシリーズは、私が知っている限りのベストプロダクト。とくにドライバーのSS427は、(USGAの基準内の中では)反発係数も高く、飛距離が出る上に、スウィートスポットが27平方センチと広いから打ちやすいんだ」(J・ハーメット、コブラ社ゼネラルマネジャー)とか。

 ただ、ニューヨークでゴルフショップを経営するワタベスポーツの渡部社長によれば、「キングコブラSSは、確かに良く売れているが、買って行くのはアメリカ人ばかり。例えば、私の店では、キャロウェイのグレートビッグバーサiiだと427ドル、テーラーメイドのR500シリーズだと399ドルだけど、コブラSSは288.95ドル。他者のトップブランドに対し、100ドル以上の差があるわけだが、この差はクラブにあまりお金をかけないアメリカ人にとっては大きい」ということで、価格面の手頃さが、売れ行きの最大要因だとする声も聞く。

 この点については、前出のハーメット氏は「これは戦略的なもので、決して他社の製品より安く(安い素材で)作っているわけではない。基本的にはキャロウェイのベストプロダクトより25パーセント安く価格設定をするという方針でやっているだけで、性能は、他社のものより上を行っているはず」と語る。

 つまり、以前に比べるとネームバリューが下がった分だけ価格も安くなっているということなのだろうが、アメリカでは、今でも名前は知られているうえ、信頼できる製品が、リーズナブルな価格で手に入るということで、人気に火がつき始めたということなのだろう。

 コブラは、コースのドライビングレンジなどでの試打会などに力を入れて、ゴルファーの間の口コミで人気が広がっているようだ。モデル別では前記のように1位だが、さすがにメーカー別となると、モデル数の多いキャロウェイ、テーラメイドに次いで3位。しかし、コースのプロショップでの売上げ本数に限れば、メーカー別ランクでも26.6パーセントのキャロウェイに次ぎ、20.2パーセントで2位につけている。

 日本でも、米国同様、契約インストラクターらが誌打会を開催する“デモレップ制度”でPRに努めているが、コブラブランドはまだまだ厳しい状況にある。日本では、高反発仕様のSS430が3万8000円の実勢価格で売られているが、米国での勢いが日本にも飛び火してくるかどうか見物だ。

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