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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/24号
2002年更新
2003年、各社の狙いは裕福シニア層
高級価格帯のニューモデルが続々登場
 これまでドライバーのボリュームゾーンは4~5万円台と、ゼクシオに代表される8万円前後の2つで、多くのメーカーがそこに主力商品を投入していた。ところが、最近ゼクシオより高価格帯の10万円前後~20万円未満の高級品市場に、大手各社が精力的に新製品を投入している。

 大手メーカーの出す10万円台の高級品といえば、少し前まではマルマンのマジェスティ(12~20万円)とブリヂストンのアクセス(11~15万円)がメインで、他に根強いファンを持つホンマやダイワ精工(受注生産)といった所で、「伸びている市場ではありませんが、この時代でも安定したマーケットですね」(マルマンゴルフ宣伝広報担当・大塚賢二課長)というような無風区状態で、各社が安定した売上げを上げていた。

 ところが、そこへこの年末から来春にかけて大手各メーカーが怒涛の参入をかけてきた。

 まず、ミズノが先月、「グランドモナーク・ロイヤルクレスタ」(18万円)を発売。続いて、テーラーメイドが来年1月に「XR-05」を同社最高価格の9万5000円で参入。ダンロップも同価格で同社最高級品の「ニューゼクシオ プライム」を売り出す。さらに、2月にはダイワ精工が「Gスリー」(G3を改称)をフルモデルチェンジして18万円で発売。3月にはキャスコが18万円の「キャスコロイヤル」を売り出す。

 デフレの時代に逆行するかのような動きだが、各社が狙うのは高級ブランド品人気に象徴される富裕層の力強い市場だ。ただし、そこに目を向けた事情は各社やや異なる。

「マジェスティはもともと96年に、創業25周年を記念して作った限定モデル。そのため必然的に高価格のシニア向けになったわけで、とくにシニア層を狙って開発したクラブではないんです。ところが、これが予想以上に大きな市場を開拓し、今日に至りました」(前出・マルマンゴルフ、大塚氏)

 ダイワ精工とキャスコもほぼ同様で、それぞれ「もともと富裕層に浸透していたブランドですから、その原点に戻って高級品を開発した結果、軽量でシニアでも打ち易いクラブに仕上がりました」(ダイワ精工営業一課・佐藤雅夫課長)

「すべて国内自社工場での製造のため、もともと高級品作りは得意な分野。市場を見ながら、力を入れて売り出すタイミングを計っていました。当社全体の15~20パーセントの売り上げを見込んでいます」(キャスコ販促担当リーダー・生西正幸氏)

 一方、テーラーメイドは「エグゼクティブシニア向け」をコンセプトに「50~60代の、あらゆるゴルファーの要求に応えられる設計とスペックを用意します」(マーケティング担当者)とシニア狙いを明確に打ち出す。競技志向イメージが強いブランドなので、シニア市場では新鮮な存在になるかも。ミズノは、「たしかにゼクシオさんの価格帯では厳しい戦いを強いられています。もちろんそこに向けての新製品の開発も進めていますが、ゼクシオさんとは別の、比較的参入しやすい価格帯ということで……。この層で10パーセントのシェアを獲得して、シニアの囲い込みを進めていきたいですね」(ミズノ広報室・西田維作氏)と微妙に視点は異なる。

 その同価格帯では、独り勝ち状態のゼクシオだが、「これまでのゼクシオではカバーできなかった、中~低ヘッドスピードのゴルファーに向けて設計されたゼクシオのバリエーションのひとつと考えてください」(ダンロップ広報部・藤田英明氏)と、それほど大規模な事業展開は考えていないようだ。

 “高級価格帯戦争”を前に、先駆者的存在であるアクセスを生んだブリヂストンでは「たくさんのクラブの中から選べるという状況はいいこと。その方が売り場で多くのゴルファーに手にしてもらえる機会が増えるので歓迎です」(同社広報担当)

 同様の意見は他からも多く聞かれたが、とはいえ、いずれは勝ち組と負け組に分かれるのが厳しい現実。さて、来年の勝ち組はどこになるのか?

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