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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/19号
2002年更新
藤井が優勝。賞金ランクトップ走る不動と
500万円弱差まで急追、“F・F”争い激化
 国内女子ツアーは残すところ4試合。藤井かすみが今季3勝目を挙げ、中盤戦までは“堅い”と見られていた不動裕理の3年連続賞金女王に「待った」がかかった。高額賞金大会の多い終盤の大詰めで、“FF(不動・藤井)賞金女王争奪戦”はどんな展開を見せるのか?

 10月第4週、樋口久子クラシックで、藤井が初日からの首位を守り切り、今季3勝目を達成。一昨年から続く“不動の天下”で安泰ムードだった賞金女王レースが一気に様相を変えてきた。同大会終了時点で賞金ランク1位を行く不動と、急追する2位の藤井の獲得賞金差は494万5000円に接近。残り試合の優勝賞金がすべて1080万円以上、2位とは最低でも500万円の賞金差があるため、1試合の結果で逆転する可能性も出てきたのだ。

 藤井は今季開幕前から、シーズン目標を「1億、3勝、賞金女王」とブチ上げた。3月、開幕戦のダイキンオーキッドで“予告優勝”、まず先制パンチをかまして賞金ランク首位に立ったが、その後やや失速、第5戦でシーズン初の予選落ちを喫し、その座を明け渡した。

 一方、不動は開幕から安定した実力を見せ、静かにトップ10入りを続けた後、5月、ニチレイレディスで今季初V。あっという間に藤井を抜いて定位置の賞金ランクトップの座を奪うと、久保樹乃の活躍で一時的には2位に甘んじたものの、得意月間・8月のヴァーナルオープン、ヨネックスでトントン拍子に優勝を重ね首位奪回、他選手との差を広げた。

 藤井も6月下旬から9月上旬の2カ月半に、3位2回、4位3回と上位成績を残したが、久保、藤野オリエ、木村敏美らの活躍で賞金ランクは一時4位まで後退。しかし、これまた得意季節の秋を迎えると、9月下旬のマンシングウェア東海で6カ月半ぶりの今季2勝目を飾り、賞金ランク2位に再浮上した。ちなみに藤井はこの勝利で、95年プロ入り以来の通算獲得賞金総額が2億円を突破。一昨年、不動が史上最速、97試合目で同偉業を達成した同じ試合で、2年遅れ182試合目の到達というのも、何かの因縁を感じさせる出来事となった。

 かくして10月、藤井の公約通りの今季V3が実現され、女王レース=F(不動)F(藤井)クイーン争奪戦がヒートアップしてきたのだが……。その樋口久子クラシックで、大会2日目まで12位とV圏外にいた不動が、最終日は66を出して3位に。

 前日の記者会見で、藤井が「(ランク首位逆転は)私が優勝しても、その試合で不動さんが2位なら、どんなに頑張っても3試合くらいはかかりますからねぇ。私がこうしてインタビューを受けてる間にも彼女は練習してるに違いない、と思うと、恐怖ですよね」と話していた通りの、いやそれに限りなく近い、不動の粘りを見せつけられた。当の不動は「実は昨日、私には(今週Vの)チャンスがなくなったし、藤井さんの優勝を確信して『今年はもう賞金女王は(諦めても)いいかな。私も頑張ったし』と思ったんです。でもそしたら今日よかったんですよね~。ショットもなぜかいい感じになったし、来週も楽しみになりました」と、ツアー史上“最短”“最速”“最年少”の『プロ7年目、出場151試合目、26歳13日』で、生涯獲得賞金4億円突破。またも歴史を塗り替え、実力を印象づけた。藤井は「目標を『1億、5勝、賞金女王』に修正」と、再び風呂敷を拡大、射程圏に入ったランクトップの座へ欲を見せる。

 2人の「F」、軍配はどちらに上がるのか。

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