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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/16号
2002年更新
民事再生の川奈、預託金大幅カットのうえ
会員特典も喪失の方針に会員有志が反発
 5月に民事再生法を申請し、コクドへの営業譲渡を中心に再生を図る川奈ホテル。ところが、ここにきて会員権を喪失することに不満を持った会員有志が、「守る会」を結成。今後、再生計画の賛否を問う債権者集会に向け、同会の動きに注目が集まりそうだ。

 6月11日に結成されたのは、無線通信機の大手メーカー、ユニデン(株)(藤本英朗代表取締役)の役員秘書室に事務局を置く「川奈を守る会」。同事務局によれば、「大騒ぎするのは本意ではないし、発足したばかりで運動方針も決まらず、まだ取材に応じる段階にはない」としつつも、ユニデンの他アマノ(株)、(株)アドヴァンなど一部上場企業を中心に、法人会員112団体が参加しているとか。同会ではすでに498口の会員に対し「コクドに対する営業譲渡に関する意見について」と題した文書を配布、賛同を呼びかけている。

 6月4日に川奈ホテルが開いた債権者集会では、川奈の今後について次のような説明がなされている。まず8月1日付けでコクドに営業譲渡するが、ホテルとゴルフコースは分離せず、従来通りの運営システムを引き継ぐ、そして譲渡価格は220億円で、内160億円がホテル、ゴルフ場施設に設定された担保を解除するために使われることも明らかになっている。

 次に、会員にとって気になるのが運営方針だ。営業を引き継ぐコクドでは、他の系列コース同様、パブリック制への転換を条件にしており、そのため料金割引、また宿泊しなくても富士コースでプレーできるといった従来の会員特典は引き継がず、さらに1口につき100万円プラス預託金残債の7パーセントで会員資格を喪失させるという方針を明らかにしている。

 川奈の会員権は、いわゆる川奈方式と呼ばれる特殊なもの。昭和59年に3000万円で募集した会員権は、入会から30年間譲渡不可。その代わり30年間分割で返済し、完済すれば会員資格を喪失させるというものだった。ともあれ、その預託金残額は、今年の2月末現在で約116億円。これに7パーセントをかけ、さらに498口に100万円をかけて、総額約13億円で完全なパブリック制に移行することになる。

 守る会が配布した文書によれば、今回の民事再生法申請、コクドへの営業譲渡の問題は主に3点。まず営業譲渡には一定の評価を与えつつも、会員の多くが特典を失うことを承認していない点、他の民事再生法のケースと違い会員権が過少評価されている点、営業譲渡は行われても譲受人にも権利を主張できる、というものだ。

「守る会」のある関係者によれば、「川奈を守りたいという思いは会員も同じ。だがその思いや誇りが、今回の営業譲渡ではまったく評価されていない。ホテルやゴルフコースの伝統や景観も財産だが、川奈を支えてきた会員の誇りもまた守るべき財産ではないでしょうか」

 たしかに他の民事再生のケースでは、今後の集客も考え、会員のプレー権を守ることを条件に預託金の大幅カットに同意してもらうのが一般的。それに対し、川奈の現在の案では会員のプレー権もなくなってしまう。この点に関しては、集客にさほど心配面がないことと、長く宿泊客を中心にプレーさせることを原則としてきた運営スタイルも影響しているのだろう。

 この点について、川奈ホテルでは「会員さんも川奈を守るための仲間だと私どもは考えています。コクドさんへの営業譲渡については、4年間にわたり水面下で交渉し、ようやく辿りついたもの。これが白紙に戻れば、これ以上の好条件を出してくれるところは見当たりませんし、民事再生法の手続き上、破産になれば川奈そのものがなくなってしまう可能性もある。私どもとしては、会員の皆様にもその辺の事情をご理解頂く努力をするだけです」(同社経理部)

 守る会もコクドの提示した220億円の譲渡金額には、「他の譲受人候補者の提示した額を上回る」と一定の評価を示している。そうした好条件もさることながら、これまでの運営スタイルを踏襲するということでも両者の利害は一致したようだ。文化遺産として「川奈」の名称を残したい川奈ホテル側はもちろん、これまでホテルもゴルフ場も大衆路線を進んできた西武グループにとっても“高級な川奈”は同グループの新たな象徴にもなる、というわけだ。

 さて、この点について、コクドではどう考えているのか。「現在も先様において手続きが継続中で、こちらから申し上げられる段階にはありません。時期が参りましたら、お話しさせていただきます」(同社広報課)

 文化遺産の存続と、誇りも含めた会員の権利。日本を代表する名コースだから生じた、難しい問題でもある。

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