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疑惑の判定が相次ぎ、後味の悪さを残して終わったソルトレークシティー五輪。あれから10日もたたないうちに米女子ツアーの開幕戦でも、ジャッジのトラブルが勃発。単独首位で最終日に突入していた藤井かすみを突如2ペナが襲ったために「やっぱり米国贔屓?」との声も聞かれたのだが……。
武富士クラシック最終日。藤井が3番ホールで、バンカーを越えたグリーンエッジ近くから第3打を打つ直前に、大粒の砂のようなものを取り除いたことが特別競技規則違反となる、と同組でマーカーのローリー・ケインに指摘され、競技委員もそう裁定。藤井は2打罰を加え本来バーディだったはずのこのホールをボギーにしてしまい、その後の優勝争いに大きな精神的打撃を被ったのは間違いない。
通常のルールでは、規則23にルースインペディメントについて規定があるが、簡単に言うと、砂やバラバラの土については、グリーン以外の場所ではルースインペディメントとは見なされず取り除くことができないが、石、あるいは虫類が地上に掻き出した盛り土などは、グリーン上でなくてもハザード以外の場所なら無罰で取り除けることになっており、藤井はそれに従った。
ところが、開催コースのワイコロアビーチでは、バンカーの砂は珊瑚を砕いたものからなり、この砂はグリーン上以外ではルースインペディメントとみなされないことが、大会前から大会の特別競技規則(ローカルルール)として選手に文書で通達されていた。そして、藤井が取り除いたものが、その珊瑚を砕いたバンカーの砂かどうかが争点となったわけだ。
藤井は「どう見てもバンカーの砂ではなく、小石だった」と当たり前のように取り除いたのだが、これが大粒なバンカーの砂と判断され2打罰となったのだが、藤井はこのバンカーの砂についての特別競技規則を知らなかった。米ツアーだから文書はもちろん英文で、要約すると「ここのバンカーの砂は通常より大きいが、(通常のバンカーの砂と同じように)グリーン上以外では取り除けない」となっている。さらに「もし判別が難しい場合は、取り除いてはならない」という一文が付け加えられているのだ。
結果的には米ツアー優勝のチャンスをこのルール違反でフイにした格好となった藤井だが、ルールは必要があるから通達されるわけで、これをきちんと知ることを怠ったシッペ返しを痛烈に食らったことになる。
武富士クラシックの1週間前の米男子ツアーでもこんな事件があった。初日に韓国のチェ・キョンジュがスタート時刻にティグラウンドにいなかったため2打罰を受けたのだが、目撃者によれば、チェはスタート時間に来てはいたが、ロープの外側だったため罰を受けたとか。そのため裁定には賛否両論。五輪の時期と重なっていたこともあり「もし、それがウッズだったら、同じ罰を課せられただろうか」などといった声も出たほど。
だが、米ツアーに詳しい評論家、岩田禎夫氏はこう話す。「藤井のケースはもちろルールを知らなかった本人が悪い。チェの場合も同じような裁定が過去にクレイグ・スタドラーに下されたこともある。米国人に有利だとか外国人に不利だとかいうことはない」
確かに日本の試合だと有力選手が時間近くなってティグラウンドにいないと関係者が呼びに行ったり、言葉ができなければ英訳があったりという光景が当たり前。しかし、実はそういったことは本来ないのが当たり前。どこでプレーしていようが自分のことは自分で責任を持つのがゴルフの本質のはず。
今回のジャッジ・トラブルは、ソルトレークシティ五輪でのそれとはちょっと違ったようだ。
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