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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/2号
2010/10/25更新

「ゴルフは暗くなるまでやる!」
根岸教授はノーベル賞のシングルさん

 今年のノーベル化学賞を根岸英一・米パデュー大特別教授と、鈴木章・北海道大名誉教授が受賞。根岸教授は、なんとゴルフの熱血シングルプレーヤーなのだという。根岸教授のもとに留学していた高橋保・北海道大学触媒化学研究センター教授と、新潟薬科大学薬学部の杉原多公通教授に根岸教授のプレーぶりを聞いた。

 高橋教授によると「根岸先生とは、パデュー大時代によくラウンドをご一緒しました。80くらいで回られる腕前ですよ」。85くらいになると「人生最悪のスコアだ」と嘆くほどだったという。

 根岸さんが教鞭をとるパデュー大学は、インディアナ州ウエスト・ラファイエット市にあり、広大な大学敷地のなかに2つのゴルフコースがある。そのうちのひとつは、まだオハイオ州立大学の学生だったジャック・ニクラスがトーナメントで優勝したことがあるコースで、もうひとつは有名なピート・ダイ設計のコースだ。

 根岸教授はこれら大学の敷地内のコースや市外のコースもよく回っているという。
「夏は早朝に1ラウンド回ってから大学に出勤されることもありましたし、海外のお客さんと一緒に午後からラウンドに出ることもよくありましたよ。今では、お孫さんたちとラウンドすることもあるそうです」と杉原教授。

 とにかく熱血派で凝り性という根岸教授は、ゴルフでも「練習場で1球1球打ち方を変え、その度に真剣勝負をしている感じでした」(高橋教授)。18ホール回ってもやめないこともしばしばで、
「私たちはもうヘトヘトなんですけど、『さあ、次回りましょう』と、結局36ホール回ったり。ボールが見えづらくなってきても『暗くなったらゴルフは耳でするものだ』とおっしゃって、続けられるほどです。止めるのは、本当に暗くなってロストボールになりだしてからでした」(高橋教授)というタフぶり。

 自らのスウィングをビデオで撮影して夕食の場で分析や解説をすることもあったという。
「ゴルフ理論は根岸先生オリジナル。ゴルフに関する雑誌なども読まれるようですが、誰かの理論を鵜呑みにすることはなく、常に反論を考えていました。その姿勢は化学の分野でも共通するところがあるのかもしれませんね」と高橋教授。

 初めて挑むドッグレッグコースでも果敢にショートカットで攻めていたという根岸教授。杉原教授は、
「今回、ノーベル賞の受賞対象になったクロスカップリング反応は、さまざまな機能の分子を短工程で合成する方法ですが、目的に向かってまっしぐらに直線的に進む、という部分が根岸先生の性格を表していると思います」

 ゴルフでも研究でも、目的に向かって一直線。帰国の際にも、ゴルフバッグを忘れないという根岸教授。多忙を極めているに違いないが、今日も熱くピンデッドを狙っているのかもしれない。

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